*

国内フェリーの過半数が赤字、フェリー(船旅)の魅力を身近なところから見直してみよう

国内航路を持つフェリー会社82社のうち過半数の42社が2008年度決算で当期純損益が赤字だったことが、民間調査会社の帝国データバンクが26日発表した調査で分かった。鳩山政権が掲げる高速道路無料化政策が実現すれば、競合航路を持つ企業の収益が一段と悪化するのは必至だ。(10/27付 道新)

帝国DBは、国内に航路を持つフェリー会社のうち、売上高は数字が判明した103社、純損益は82社について調査している。08年度業績で売上高が減少したのは55社で、53・4%を占めた。また純損益の赤字は51・2%の42社。2期連続の赤字も2割強あり、収益環境の厳しさが浮き彫りになっている。
西日本を中心に苦戦するフェリー業界の模様は頻繁にニュースに登場するが、千円高速道路に続き、無料化が順次進めば、決定的ダメージになることは誰の目にも明らかである。高速道路の格安化や昨年までの燃料高が仮に起きていなくても、フェリー業界は物流形態の変化や高速道路網の発達、割高な必要コスト(港使用料や人件費・船舶の更新など)で斜陽産業になっていたことには変わりないだろう。
30年前の長距離フェリー航路図を見ても半分以上のルートと会社がなくなっているのだ。東京発でいえば、釧路・苫小牧・室蘭・松坂・南紀勝浦・高知・大分・日向便などが消えている。再建に失敗をした東日本フェリー(現・津軽海峡フェリー)を見てもわかる通り、先行きは大変厳しいと言わざるを得ない。
管理人はフェリーの観光利用、特に長距離フェリーのクルーズ感覚での利用促進について何度かこのブログで触れている。北海道と本州を結ぶ便であれば商船三井フェリー(大洗-苫小牧)、太平洋フェリー(仙台-苫小牧)、新日本海フェリー(舞鶴・敦賀・新潟・秋田-小樽・苫小牧東)などがあり、太平洋フェリーなどは中高年向けのツアー商品でもよく利用されている。
また、高速バスとセットにした格安チケットを販売して若年層の掘り起こしを図っているが、なかなか客足は伸びていない。このあたりの話題は拙サイト左側にある「カテゴリー」の中の「公共交通・フェリー船舶」を見ていただきたい。
北海道ルートの場合、旅行費用の減少や日程の短縮化、航空機の格安化などフェリーを利用しにくくなっている環境があるが、ひと昔前の夜行列車(寝台列車)と同じで、利用者にフェリーが旅の移動選択手段に入っていないのであろう。
このような時だからこそフェリー業界には頑張ってもらいたいところだ。やはり、利用者アップには認知訴求に尽きると思うが上記3フェリー会社はテレビCMも流しており、集客には努力をしている(以前、北海道では東日本フェリーのCMが相当流れていたことを思い出す)。政府、国交省にも、もう少しフェリー業界への支援をお願いしたいところだ。
長距離フェリー乗船はイベントになってしまうが、身近な短距離フェリーなら気軽に使える。たとえば管理人の実家に近い久里浜(神奈川県)と金谷(千葉県)を結ぶ東京湾フェリーは40分足らずのクルーズだが、乗船するだけで気分転換となる。年に1回ぐらいは目的もなく乗船をするこがあるが、手軽に気分転換ができる。夏は納涼船になるが、ビールと潮風の相性は心地よい。
都内の水上バスも楽しいが、やはり川よりは海の方がいいものだ。関西へ行けば、もっと多くの航路がある。北海道でも航路は減ったが、青函間を中心にいくつか残っており、函館ー大間などはローカル線感覚で楽しめる航路だ。そういう意味では「なっちゃんシリーズ」の撤退は残念でならないが、身近なフェリー航路に乗ることにより、フェリー(船旅)の楽しさを発見してもらいたいものだと思う。
 

 - すべての記事一覧, 公共交通(フェリー・船舶)