*

東京-紋別便が廃止の危機、地域の足は重要だがよ~く考える必要あり

紋別空港など東京・羽田便が1日1往復だけの地方空港が、民主党政権になり曲がり角を迎えている。日本航空の経営問題や前原誠司国土交通相の空港整備に関する特別会計見直し発言などにより、各社の不採算路線整理の流れが強まっているためだ。無秩序な撤退を防ぐため設けられた羽田路線の「1便ルール」も、来年10月予定の羽田発着枠見直しの中で残るかどうか。各地で空港の命脈を握る羽田便に廃止の危機が迫っている。(11/4付 道新)

北海道の空を取り巻く情勢が俄かに厳しくなっている。ANAグループのANNでは丘珠空港からの完全撤退を表明した。現在、函館、釧路、中標津、女満別、稚内を結ぶ14往復を運航し、昨年度は、約29万人が利用しているが、後継機種の代替機がないこと、新千歳空港への集約化でコスト低減が図れること、利便性向上によって需要を喚起できることの3点を列挙し、丘珠から撤退をする構えだ。もともと道内ローカル便は千歳便よりも丘珠便の方が利用者が多かったはずであり、納得いかない点も多ある。
JAL系の北海道エアシステム(HAC)も、親会社JALがHACからの経営撤退を表明している。2010年9月末をめどに、地方公共団体などへ株式を売却し、株式保有率を15%程度へ引き下げる。株式売却後も機体の整備などは継続するというが、不採算路線からの撤退も予想される(すでに函館-女満別、釧路-旭川などから撤退)。HACが丘珠から撤退をすれば丘珠発着便はゼロとなる。
また、親会社のJALでも来年までの中部-釧路、神戸-新千歳、松本-新千歳などの廃止を打ち出している。JALの廃止航路の多くは旧JASの路線であるが、HACも旧JASの子会社として作られたものである。松本便などはジェット機時代から搭乗率がよかったが、燃費の悪い機材(MD81)を使いたくないために、隔日のプロペラ便に格下げされてしまった。これでは悪循環であると思うが。
さて、羽田-紋別便であるが、この路線は2007年7月にジェット機対応空港とした際に就航した。紋別空港には丘珠便、新千歳便が就航した時期もあったが、すでに廃止されており、現在では僅か一日一便の空港となっている。羽田便搭乗率は開港時から路線維持の目安となる60%を割り続けており、2008年度は過去最低の52・4%を記録している。
この路線、89年のJR名寄線廃止の替わりに、代替措置として武部自民党元幹事長らが旧運輸省に働きかけて実現したらしく、当初から路線維持には無理があったようだ。深名線の廃止の替わりに、宗谷本線に特急を走らせたのと事情はよく似ている。
道新によると、『紋別空港が羽田便を維持できてきたのは、国交省が各社に通知している「1便ルール」があるからとのこと。航空会社が最後の1便をやめ路線を廃止する場合、同じ路線を代わりに運航する会社が現れれば無条件で就航を認める制度であり、羽田便については「羽田発着枠は航空会社にとって虎の子。1便ルールが事実上、路線廃止の歯止めになってきた」(航空関係者)。』からだと云う。
管理人は以前から羽田-紋別便は流氷観光の時期を除き、紋別市の周辺人口や観光需要を考えても、よく運航しているなと思っていたが、そういった裏事情があったのだ。現在、政権も変わり、取り巻く情勢が大きく変わって来ているので、紋別便の廃止も十分考えられであろう。
廃止になれば何のためにジェット機対応の滑走路に拡張をしたのか。紋別は空港が拡張された1999年の段階で、札幌方面への足としては都市間バスが主流となっており、4時間半程度で結ばれていた。管理人は紋別-新千歳便を利用をしたことああるが、紋別市内から路線バスに乗り空港へ、さらに70分程度のフライトと新千歳から札幌までのJRを含めると4時間近くかかった記憶があり、航空機の利便性をかんじなかった(そういう意味では丘珠利用の価値はある)。
また、この便は道外では殆ど知られていない。東京から直行便がある路線の中でももっとも地味ではないか。その背景にはPR不足もあると思う。東京で紋別空港のプロモーションなど見たことがない。
今後、紋別便(空港)以外でも離島の奥尻、利尻、礼文などの存続問題が出てくるであろうし、本州便、道内便の減便や廃止、機材の小型化など問題が山積みである。

 - すべての記事一覧, 公共交通(航空機)