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円山動物園がCRMで受賞、観光産業はもっとこの概念を意識すべきではないか

札幌市円山動物園が、一般社団法人CRM協議会主催のCRMベストプラクティス賞を受賞した。CRMとは顧客関係管理(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)のことで、同協議会は顧客サービスの改革の優秀な事例を毎年選出している。今年度は同園をはじめ、資生堂やリクルートなど計13組が選ばれた。(11/25付 朝日新聞北海道版)

札幌・円山動物園は、「顧客参加型イベント・モデル」部門で受賞している。受賞理由として 『飼育繁殖技術という強みを活かして、命の大切さや生息地の環境問題などをメッセージとした新たな動物園づくりを、経営陣以下全員で取組み、大改革を行った事例である。動物園に訪れる顧客に体験と感動を与え、顧客が自ら参加するという形に行動を変化させた。その結果として、入園者数が伸び、リピート率も向上した。統合的なCRMシステムの導入がなくITに頼らない形で顧客とのリレーションを形成しているこの仕組みは、多くの示唆を与える』とある。
顧客体験&参加型は各地の動物園や水族館などが取組んでいるが、IT手法を取り入れずにCRMとして受賞したところが面白い。このCRM,ITバブルの頃はone to one マーケティングの時代と叫ばれ、戦術としてのCTI,コールセンター、ポイントカードなど顧客囲い込みで一世を風靡したが、あくまでもCRMは概念であり、各手法は定着しても、CRMそのものは忘れ去られるようになった。
このあたり欧米との違いで、米国では戦略としてのCRMがパッケージとしてビジネスになったが、それが日本では根付かず、個々のものとして発展して行った。戦略で勝負する欧米と個別戦術に強い日本、その違いがCRMにもよく出ている。
もともとCRMは新しいものではない。需要調査や顧客満足追求などは江戸時代からあったもので、それをアナログからIT活用へ変えただけのことである。基本は利用者の立場になって、よりよいサービスを提供すること。すべてのビジネスの基本であり、動物園もエンターテイメント、夢を売る商売なのだからCRMという視点に立つのは当たり前といえば当たり前である。
むしろ、ホテル旅館など観光産業の方にこの概念がもっと求められるのではないか。表面だけのホスピタリティではなく、データに裏打ちされた顧客満足度アップという視点にもっと立つなど、表面的なおもてなしとは別の面から追求する必要があると思う。
【参考】CRM協議会公式HP「ベストプラクティス賞」受賞について

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