*

世界最深積雪記録がある関西名門のスキー場、伊吹山閉鎖に思うこと

ibukiyama2.jpg

スキーシーズンを控え、滋賀県米原市の伊吹山スキー場が営業休止になる見通しであることが2日、地元関係者の話で分かった。近年の雪不足と運営会社の経営難で、昨シーズンからリフトやレストランは休止されているが、今シーズンはゲレンデも荒れ放題。市によると、会社側と連絡が取れず休止は必至の状況だ。(12/4付 産経新聞

東京方面から東海道新幹線に乗り、関ケ原を過ぎると展望が開け、右手には伊吹山が見えてくる。車窓から見える南斜面は、夏は花観光、冬はスキーゲレンデに変わる。暫く西に進むと琵琶湖側の斜面が白く削れており、ギョッとするがこれは石灰岩を採掘しているもので、いろいろな顔がある面白い山だ。
伊吹山を見ると関西に来たなという実感が湧いてくるが、スキー場は戦前からある関西の名門として賑わっていた。西武グループのルーツである近江鉄道が経営をしていたが、グループのリストラにより2005年に経営から撤退、1シーズンは休業していた。その後、スキー場を運営する「ピステジャポン伊吹」が2005年に経営権を引き継いだ。しかし、ここ数年の雪不足がたたりゴンドラやリフト、レストランは昨年9月から休止、点検作業もせずに放置している。今シーズンも産経の記事を読むと厳しそうで、このまま廃業になりそうである。
スキー場は、ピークの昭和59年には約18万人が訪れたが、近年は激減し、一昨年は約6千人にまで落ち込んでいたという。もともと雪の多い場所ではなく、さらに南斜面ということですぐに溶けてしまう。昨今の雪不足でスノーマシンを導入しても追いつかず、本来1合目から5合目までがゲレンデであるが、3合目より下は殆ど滑れず、3合目のみの縮小営業をしていた。
この伊吹山には信じられない記録がある。世界山岳最深積雪量というもので、1927年2月14日に何と 1182 cm というとんでもない雪が積もっているのだ。あの場所で俄かに信じられないが、昔は丹沢や奥武蔵でもスキー場があったというので、日本中雪が多かったのであろう。想像だが、伊吹山は市街地からも近く、測候所があれば観測も容易にできたからではないであろうか(地形状、風が強いので吹き溜まりの可能性もあり)。
伊吹山に限らず、今シーズンも休業・閉鎖が増えそうなかんじだ。全く底をうたない。ひとつ心配なのはスキー文化が途絶えてしまうことだ。最近、アラフォー世代など家族連れをターゲットにしているが、その世代がスキーをしなくなると世代断絶が生まれてしまう。子供たちにスキーや雪遊びの楽しさを伝えていかないと日本のスキー文化は崩壊である。正念場である。
 

 - すべての記事一覧, スノーリゾート