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札幌でコミュニティ型のスペインバル「Barcomサッポロ」が誕生、地域密着型のバル文化が生まれるか

札幌に「語らいの場」オープン。「都市の真ん中に、人の居場所、交流の空間を作りたい」――。札幌市中央区北2西2のビル1階に、スペイン式の立ち飲みバー「Barcom(バルコ)サッポロ」が開業した。都市生活デザイナーの社長以下、フードコーディネーター、ネーチャーガイド、イラストレーターの4人が、いわば「まちづくりの実験室」として作った。(12/7付 朝日新聞北海道版*リンクは2週間程度です

全国的に立飲みがブームだ。最近人気のホッピーが呑めるような伝統的(?)な立ち飲み屋、根室食堂のような水産系、英国パブやイタリアンバール、フランスキャフェ、その中でも急増したのが、スペインバルである。都内には数え切れないほどバルが林立し、札幌でも軽く10軒は越えているであろう。立って、軽く一杯なので、人間関係も煩わしくなく、懐にもやさしく、今の時代に合っている形態である。
Barcom(バルコ)サッポロ」は、ふつうのスペインバルとはややコンセプトが異なる。運営をしている川口剛氏の言葉を借りれば、「常連や不特定の人が、お酒やコーヒーを片手に交わり合う場所。札幌にもそんな場所があれば、もっと住み心地がよくなる」。店の名は、バーと、コミュニケーションやコミュニティーなど「八つのcom」に、スペイン語で「船」を意味する「バルコ」の音をあてている。
川口氏以外のスタッフも、「地元食材の利活用」「町と田舎をつなぐ」「住民と旅人が出会う」といった各自のテーマの「実験」で集まっている。出店費は1株5万円で知人43人が「出資」。配当は「年7杯分無料で何でも飲めること」だ。「店で出している値段の高いワインが1杯700円なので、10年存続すれば株主は元が取れます」と川口氏。面白い試みだ。
管理人と川口氏は知り合いだが共通点が多く、鎌倉と逗子という隣町同士の出身。また、スペイン遊学の経験があり、現地でバルの魅力に嵌り、なぜかその後北海道に魅せられてしまったという不思議な縁がある。バルイベントの元祖である「函館バル街」で数年前に知り合ったが、川口氏は現在札幌で「さっぽろタパス」というスペインをコンセプトにした食と飲のイベントを秋に開催している。
今回の「Barcom(バルコ)サッポロ」を出店する前に、実験的に週末限定のバルを出していたが、ファンが増え始め、少しずつ形が出来てきた。
東京などのスペインバルは飲食業を専門とするプロが営んでいるのが大半である。店の雰囲気はいかにもそれっぽい造りだが、スペインでは朝食・10時のブレイク・軽いランチ・おやつ・バルタイム(ピンチョスにタパス)、夕食後の仕上げのコーヒーといったように日常生活にバルが溶け込んでいる。しかし、日本のバルの多くは表面だけである。イタリア飲食系が飽和したから次はスペインといったところで、そのスペインも増えすぎたので最近はポルトガルやクロアチアなど料理未開の地にどんどん広がってゆく。
何よりバル本来の存在意味、たとえば地域のコミュニティ・交流の場ではなく、あくまでもファッションのひとつ、そういう意味ではホッピーにもつ煮込みの既存の立飲み屋の方がスペインのそれに近いかもしれない。余談だが、札幌駅地下アピアのいちばんはずれに「いちまる」という午前中からやっている立飲み屋がある。いつ覗いても混んでおり、客層もデイープなかんじなので入りずらいが、いろいろな意味で密着している店であった。ここはビールに餃子である。
札幌で新しく生まれたバルが地域に溶け込み、日常化することができるか。注目である。

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