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湯の川の高級旅館が地元漁協と共同で旬の食材提供、一般ホテルへの普及も重要では

南かやべ漁業協同組合など函館市の5つの漁協と湯の川温泉の旅館が共同で、冬の函館の水産物の魅力アップに取り組む。5漁港が函館近海で捕れた旬の魚を旅館側に提供。各旅館が工夫を凝らしたメニューとし、観光客らにPRする。(2/9付 日経新聞北海道版)

この冬季キャンペーンは3月末まで「函館満喫冬味覚」と銘打ち実施する。参加する宿は竹葉新葉亭と旅館一乃松、割烹旅館若松の3施設。5漁協で水揚げされたマツカワガレイやババガレイ、サクラマス、ゴッゴなどを刺し身やしゃぶしゃぶ、吸い物など懐石料理として提供するというもの。
函館の食というと何を連想するであろうか?道外の人ならまずカニ、そしてイカといったところか。函館の人から見ると不本意かもしれないが、なかなかそれ以外のものが連想できない。特産のがごめ昆布でさえも殆ど知られていないのが現実である。
函館=カニは朝市やそれに関連した通販(番組)、そして格安ツアーの影響が大きいと思う。特にこの時期、首都圏からも1泊か2泊の函館滞在の格安ツアーが多く出る。航空機なら出発が遅いか早朝便を利用、JRなら往復「はやて」-「白鳥」乗り継ぎのコースなどで平均価格は2万円台前半、中には2万円を割っているものさえある。これで2食付なのだから安い。
これらのツアーで使われる宿の多くは湯の川温泉にある部屋数が多い大箱ホテルである。夕食はバイキングやカニ食べ放題などが多く、YHH,YTT,HBH,HK,OYH,BHなどがよく利用される。勿論、これらの宿が悪い訳ではなく、中には独自の仕入れ(?)で非常によい海産物を出す宿もある。
今回、「函館満喫冬味覚」に使用される宿は竹葉新葉亭・旅館一乃松・割烹旅館若松であるが、この3ヶ所は客室数も少なく個人客が中心の高級旅館。団体ツアーでも利用されるが、おもにDXツアーである。
折角の冬の美味を一部の高級旅館でしか味わえないのは残念な気がする。団体が多く泊まる宿でも旬の食材を提供することができないものか。すべて高級なものでなくてもいいのだ。函館=カニ&イカの単純方程式から脱却するためにも多くの宿で冬の味覚を満喫してもらい、宿泊客が口コミで伝えることができれば、ワンパターン化した函館観光を変えるきっかけになると思うが。
今のままでは格安ツアー(ロシア産冷凍カニ食べ放題)と高級旅館(地元漁協の旬の食材満喫)とのギャップが大きすぎてしまい、これまで以上の二極化が生まれるのではないかと危惧する。デフレの冬のこの時期、利益が出なくても団体客が取らなければやっていけないのはわかるが、これまでの「叩き売り」からひとつ発想の転換を行い、バイキングコーナーや和食御膳の一角に「函館満喫冬味覚」と銘打ち、旬な食材を置き、それをPRするだけでも付加価値が生まれるのではないか。人が来ない⇔安売り⇔レベルの低下→安かろう悪かろうで二度と函館へ来ないの悪循環から脱却しなくてはならない。
このフェア、実施している旅館サイトには載っているが、温泉共同組合のサイトには出ていない。
 

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