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低迷が深刻な北海道の宿泊施設、叩き売りと過剰供給で悪のスパイラルに陥っている

ホテルや旅館など道内宿泊業者の半数が赤字経営に陥っていることが、北海道経済産業局が初めて実施した実態調査から分かった。アンケートでは景気低迷による旅行客の減少と、価格競争による料金値下げがダブルパンチとなって、経営を圧迫している事情が浮き彫りになった。 (2/17付 道新)

函館市内のホテル・旅館などの客室数が2年ぶりに1万室を下回った。市保健所によると、2009年末時点での客室数(ホテル、旅館、簡易宿所)は約9900室で、08年末に比べて1.6%減った。前年を下回るのは4年ぶり。観光客数の低迷が要因で、昨年だけでホテル1軒、旅館4軒が休・廃業した。(2/18付日経北海道版)

昨日のブログで湯の川温泉の一部旅館が行なっている旬の食材提供に関して問題を提起したが、深刻なのは道内宿泊施設の利用者数減少と価格競争による利益率低下、それに伴なう宿の廃業である。
北海道経済産業局が17日公表した道内宿泊業の経営実態調査では、道内87の旅館・リゾートホテル(調査対象は418事業者)の約半数が赤字経営と回答。昨年10月の調査時点の客室稼働率は52%で、全国平均の63%を大きく下回っている。
また、2008年度の収益について、赤字としたのは44社(51%)で、黒字は29社(33%)にとどまった。14社(16%)は無回答だった。収益変動の要因では、客数の減少を挙げたのは46%で、料金値下げによる利益率低下としたのは18%であったと道新では報じている。
さらに日経では函館の宿泊施設の不振についても記事にしている。函館市内では、北海道新幹線の開業を見据え、07年ごろから道外資本によるホテル建設が相次いだ結果、08年末には初めて、客室数が1万室を超えたが、景気の低迷などにより、函館市への観光客数は08年度には前年度比5%減の約456万人と、市が目標に掲げる500万人を4年連続で下回り、09年度も前年を下回るのは確実な情勢と報じている。
市内では客室稼働率を上げるために価格競争が激化し、ホテル関連業界を取り巻く環境は激しさを増し、今年に入っても、1932年建築の銀行の建物を利用した「ホテルニューハコダテ」が宿泊部門を休業したという。
まず、道内全体の数字で見ると、客室稼働率平均が52%で、全国平均の63%を大きく下回っている。北海道観光の低迷がそのまま稼働率低下に繋がっているが、低下イコール客室の安売りであり、空いているならば赤字覚悟でも販売してしまった方がよいということになる。旅行会社からは足元を見られ団体やパック用に言いなりで提供、個人向けの宿泊予約サイトでもダンピング合戦となり、自らの首を絞めることになる。
上記で紹介をした函館がよい例である。新幹線開業を見込んで全国チェーンが多く進出して来たが、夏休みや週末もガラガラの状態。昨日のブログでも紹介したように、客室数が多い大箱温泉ホテルは空いているよりは埋めて土産物販売か何かで多少は元を取れればということで、叩き売りをしている。昨日紹介した高級旅館がキャンペーンを行なっている「地元漁協の旬の地元食材提供」などできる状況ではない。
面白いブログを発見した。函館駅前にある老舗「ホテルニューオーテのオーナーズブログ」だ。このホテル(旅館)は懐かしい駅前旅館の流れを汲んでいるが、周辺の旅館が次々廃業をしていく中、奮闘してる宿だ。函館の宿泊施設の苦境について、適確な分析をされている。この内容は北海道全体に当てはまるので是非読んでいただきたい。
函館に限らず、帯広、釧路、北見など道内の地方都市には道外から多くのホテルが進出したが、最近では撤退も始まっている。空き地だらけの駅前と中心街、ここに目を付けたファンドが次々とホテルを建てたが、リーマンショックと不況によるビジネス&観光客の減少、マーケットリサーチも適当に、ここぞとばかり進出したが待っていたのは空き部屋だらけの現状。古くからある温泉ホテルも旅行会社依存の他力本願から抜け出せず、食い合いが続いている。
函館では、古い銀行を改造をした「ホテルニューハコダテ」が営業を停止した。辻仁成の小説にも出てくるが客室は狭いながらもバーは雰囲気がありよかった。過当競争のなか、函館らしいものがまたひとつ消えて行く。
 

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