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地域を疲弊させるホテルのダンピング競争-函館の事例から-

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じゃらんネットより 5/30一人利用で検索 画面クリックで拡大
先日のブログでホテルの価格低下・ダンピング競争がホテル側だけではなく、客の質低下にも繋がっていると書いた。札幌市内のシティホテルでの話だが、道内最大の激戦区(?)函館では常識を超えたような低価格競争が繰り広げられている。そのあたりは、以前の拙ブログで触れたが、今回宿泊してみてそれを実感した。
函館には22,23日と連泊。週末にも関わらず宿泊予約サイトは大半のホテルが空いている。22日は地場資本のホテルで改装をしたホテルニューオーテと決めていた。このホテルは以前紹介をしたが、ターゲットをファミリー層に切り替え、新しい船出をした。ニューオーテに関しては別の機会に取上げたい。
当日、楽天やじゃらんなど宿泊予約サイトではシングル3千円台はザラ。2千円台も珍しくない。その中でも目立ったのが、元・JALシティの「チサングランドホテル函館」だ。何とスーペリアルツインがシングルユースで3,100円、朝食付き3,900円とある。JALシティ時代に泊まったことがあるが確かシングルで8,500円した記憶がある。
このホテル、外資のソラーレホテルグループが運営をしている。同じ函館市内では駅前のロワジールホテル(旧・ハーバービューホテル)も同じ系列で、前ホテルの半額程度で出している。
どんなものかチサンホテルに泊まってみることにした。通された客室は5Fで、謳い文句通り海が見える。客室も広く25平米以上はあり、ネット環境やアメニティもよい。これで3,100円というのは信じられない。
当日は日曜日にも関わらず混んでいる。外国人のバックバッカーなども何組かおり、どこで情報を知ったのであろうか。駐車場はいっぱいだったので、別の場所に移動してくれた。
利用者から見れば文句はないであろう。しかし、観光に携わる者から見れば文句はある。前述したが、函館はホテルが飽和状態であり、廃業や新築の中止などが相次いでいる。特に道外から参入し、新築・買収したホテルは一線を越えた安売りを掛けている。ソラーレグループもそうであろう。安価でJALシティを買収したのであろうが、どう考えても3,100円では利益が出ているとは思えない。そこまでしても部屋を埋めて、これからの観光シーズンに備えたいのであろう。
これでは潰し合いの消耗戦であり、地域のバランスが崩れてしまう。たとえば、ある商店街に八百屋が何軒かあったとする。そのうち新しく進出をした1軒が利益度外視で安売りをしたらどうなるであろうか。その店は儲かるかもしれないが他の八百屋は消耗戦の上、潰れる。その新しい八百屋も最後は力尽きるかもしれない。
昔、ダイエーやヨーカドーが中心地に出店した時、地元の店はこぞって反対運動をした。しかし、スーパー側は核が出来ることで更に地域は繁栄すると説いて回った。勿論、地元商店街にとって大ダメージだが、それでも共存共栄の論理でやってきたはずだ。
ホテルの過剰、観光客の減少、デフレスパイラルの昨今、常識を超えたダンピング合戦は地域経済をさらに疲弊させる。価格設定で何らかのガイドラインを設けるなどの時期が来ているのではないか。
かつては旅館組合やJTB,日観連などが強く、極端な値崩れがなかったが、加盟数の減少や国内・外資のチェーンホテルの物量攻勢、ネットエージェントの登場により、「良識」が崩壊してしまったような気がする。

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