*

民間譲渡された熊石「ひらたない荘」、利用者から見た民営化の恩恵とは

%E2%80%9910.07Hokkaido%20132.jpg
%E2%80%9910.07Hokkaido%20133.jpg
%E2%80%9910.07Hokkaido%20137.jpg
上からひらたない荘外観・216号室ツインルーム・客室の正面にはスキーゲレンデ
八雲町熊石(旧熊石町)の「ひらたない荘」に7/2宿泊をした。この宿は3年前まで町営国民宿舎であったが老朽化と赤字のため、民間に譲渡され、新生・ひらたない荘として一昨年暮にオープンをした。このあたりの事情については過去ブログを参考にしていただきたい。
予約は当日朝であったが、ビジネスプランが2食付で7千円。通常プランだと9千円だという。客室はシングルが満室のためツインを用意するということで、9千円コースで申込んだ。札幌から300キロ近く走り、夕方に到着をしたが、前の建物と較べると半分以下の大きさになっている。鉄筋モルタルのような作りで少し安っぽくみえた。
チェックインの際のフロントの対応はぎこちない。町営時代のスタッフが残っているのかと思ったが、全く新しいメンバーで八雲から来ているという。素朴といえば素朴だが、再オープンからは既に1年半が経過している。パウチされ、使いまわしの夕食券と朝食券を貰い客室へ。
通された部屋は2階の角部屋。コンパクトなツインルーム(17㎡ぐらい)で、窓からは熊石休養村内のスキーゲレンデが眼の前に見える。インターネットが使えるということで、早速、試してみたがそこそこに速い。ADSLから光になったのであろうか。客室は2階がシングル、ツインに通常の和室が主体、1階に和洋室や特別室があり、1階の部屋の風呂は外が見えるようになっており、かなり豪華だ。
%E2%80%9910.07Hokkaido%20138.jpg
%E2%80%9910.07Hokkaido%20141.jpg
%E2%80%9910.07Hokkaido%20144.jpg
上から館内廊下・海洋深層水商品など置かれたお土産コーナー(なぜか花畑牧場コーナーがあった)・ロビーにあるフリーPC
温泉は町営の温浴施設「あわびの湯」を使う。これは以前と変わっていないが温泉に入ってみて驚いた。まず、湯温がえらく低い。どの浴槽も38度程度で、以前はかなり高めであったので違和感をかんじた。また、お湯の色がかなり茶色く濁っていたが、以前は透明だったはずだ。また、名物の海洋深層水風呂もなくなっていた。
夕食中にホテルのスタッフが、「温泉の調子が悪く、暫く使うことができません」と告げにきた。ぬるかったのはそのせいか。この温泉に関して云うと、客室に「源泉資源保護のため、朝は8時まで、夜は11時までとさせていだきます」という紙が置かれていた。宿泊者も朝8時までしか入浴できないのはあまりにも早過ぎないか。故障した温泉は21時頃復旧したが、22時半頃温泉に入っていると、掃除のスタッフがやってきた。町営時代にも同じ経験をしているがあまり変わっていないようだ。
夕食は地下の大広間でいただく。当日は男性ひとり客が管理人を含めて4人、あとはビジネス2人組と老夫婦客であった。意外にビジネス需要が多そうである。やはり、シングルルームとネット接続ができることがポイントか。
食事は町営時代と殆ど変わっていない印象だ。刺身以外は早い時間から並んでいた。料理長は変わったが、その分、ボリュームが減っている。地元食材も小さなアワビがひとつ付いているだけであまり目立たない。
また、白飯の代わりに、釜飯が付いてきた。これが新しいウリのようであるが、アイデアとしては悪くなく、美味しくいただいた。
ひらたない荘といえば、アワビのフルコースが有名であったが、隣にいた名古屋から来たひとり旅男性が2週間の北海道旅行の最後の夜は豪華にということで、アワビコースを頼んでいた。5千円の追加であるが、内容はというと寂しい限り。以前の方が遥かにアワビを贅沢に使っていた。
料理を運ぶオバサンが「これはないよね」と言っていたが・・・。夕食時、日本酒を頼んだが道南は地酒がない場所だ。前述のオバサンに尋ねると「いつも日替わりで酒、仕入れているんだ。銘柄何だかわかんないけどもってきてみるわ」と言い、一升瓶を持ってきた。見ると水戸の酒で、あまり聞いたことがない銘柄。「安いからこっちがいいっしょ」ということで頼んでみたが、北海道で茨城の地酒を飲むとは思わなかった。
それにしても、名古屋から来た定年退職記念のひとり旅男性は気の毒に思えた。もし、アワビのフルコースを熊石で食べるのであればもうひとつの温泉宿、見市温泉旅館の方が倍以上は付いてくるし、味付けもいいはずである。
ハード面では見違えるばかりになったひらたない荘であるが、サービスに関して云うと、町営時代とあまり変わっていないか、かえって食事面など営利追求で民間の悪い面が出てしまっている気がする。以前は原価コストも気にしないような大らかな面があったが。
帰り際、クルマのエンジンをかけていると、フロントの男性が走ってやってきた。何かと思ったが、「LANケーブルはどうされましたか」。客室にそのまま置いてきましたよと告げると、ありがとうございますも言わずに、立ち去って行った。
あらためて、公共の宿の民営化の難しさをかんじた。新たに運営する民間業者と、それを受け入れる地域や住民との調和が取れていれば、もっとよい宿になるはずである。今は官から民へ上手く移行されておらず、しっくりいっていないように思えた。また、ホスピタリティ面では良く言えば、素朴だが、粗雑ともいえる地域性も関係しているかもしれない。
今のままでは民営化のメリットを利用者の立場からはかんじない。建物がきれいなだけでは客は呼べない。「お客様をおもてなす」とは何であるか、民営化のメリットとは何なのか、再考する必要があると、宿泊してかんじた「ひらたない荘」である。
%E2%80%9910.07Hokkaido%20147.jpg
%E2%80%9910.07Hokkaido%20151.jpg
%E2%80%9910.07Hokkaido%20153.jpg
上からひらたない荘の夕食・朝食・源泉を引いている天然露天の「熊の湯」

 - すべての記事一覧, 最近泊まった宿