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「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」100万部超で気付いたこと

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岩崎夏海の小説「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」の発行部数が100万部を超えたらしい。発行元のダイヤモンド社は大正2年に同社が創業して以来初のミリオンセラーとなった。この出版不況の最中、凄い記録と云ってよいであろう。
管理人がこの書籍に気付いたのは今年の3月。すでにベストセラーになっていた時期だ。たまたまビジネス書のドラッカーのコーナーを覗いていると、一冊異彩を放っている本を発見した。お堅いドラッカーの経営論書籍の中で、萌え系少女のイラストが表紙なのだから目立たない訳がない。
ストーリーはご存知の方も多いと思うが、公立高校の弱小野球部でマネージャーを務める女子高生・川島みなみが経営学者、ピーター・ドラッカーの著書『マネジメント』[3]を偶然、書店で手に取ったことを契機に部の意識改革を進め、甲子園を目指すと言うお話。一見、萌え本やライトノベルを意識したかのような装丁が採り入れられているのが特徴となっている。
また、主人公の川島みなみは著者・岩崎がプロデュースに関わっていたアイドルグループ・AKB48のメンバー・峯岸みなみをモデルにしており、上手く時流に乗った。
この大ベストセラー、ポジショニングの勝利と云ってよいであろう。少し難しいドラッカーにAKB48系少女の組合わせ、究極のミスマッチであるが、お堅いビジネス書をここまでエンターテイメント化したのは初めてであろう。
以前、マーケティング関連の書籍で、「銀座ママ麗子の成功の教えシリーズ」というものがあり、「マーケティングは愛」、「ブランドは遊び心」という2冊を購入したことがある。謎の美人ママ・麗子がマーケティングを指南するという内容だが、発想が面白かったので遂手にしてしまった。
銀座ママ麗子はそれほど売れなかったと思うが、企画の発想自体は萌え系ドラッカー本と同じである。意外性、軟と硬、エンターテイメント性・・・そして何といってもわかりやすさである。
萌え系ドラッカー本のブレイク、出版業界以外でもヒントになりそうだ。たとえば、北海道ツアーの添乗員やバスガイドに萌え系キャラの若い女性を使う。それもカリスマガイドとして売り出す。新聞広告などで、”今話題のカリスマガイドがご案内”などと告知をすれば、これまでとは違った客層の開拓に成功するかもしれない。
これは管理人の思いつきレベルだが、既成概念の打破と誰もが気付かないことを探す作業が閉塞感を打ち破るカギではないか。ミスマッチを違和感なくマッチングさせることも差別化である。それには時流を読む力も必要である。
今日(28日)、書店に行くと何と萌え系ドラッカー本は中高生向けの夏休みおススメ課題図書になっていた。まだまだ売れそうな気配だ。⇒29日の朝日新聞社会面にもこの現象が取上げられている。

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