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中国観光客向け同時通訳サービスを開始、インバウンドは重要だが忘れてはならないことがある

急増する中国人観光客とのコミュニケーションの壁を取り払おうと、システム会社「恵和ビジネス」(札幌市中央区)が、携帯電話を使った同時通訳サービス「Weicall(ウェイコール)」を開発し、14日からサービスを始めた。本格実施は11月中旬だが、すでに道内のホテルや百貨店など約15社が導入しているという。 (10/15付 道新)

昨日に引き続き、対中国関連の観光の話題を。
ぎくしゃくする政治関係をよそに対中国インバウンド関連のビジネスが進んでいる。「Weicall(ウェイコール)」は中国人とホテルのスタッフが会話する場合、両者が携帯電話を使って、同社コールセンターに接続。センターの同時通訳オペレーターを介しながら3者で通話する仕組み。接客しながら使えるので、服のサイズ確認や包装の好みなど、観光客の要望を把握できるのがメリットという。
現在、百貨店やホテルなど道内約15社の約20カ所が導入。窓口などにはサービスを知らせるパネルを掲示している。 利用時間は午前8時~午後10時。料金は月額3670円と通話料3分300円で、超過1分につき100円。
中国では北海道ブームが続いている。一時の韓国に似ているが、当面は続きそうな気配である。国内旅行(観光)市場のパイが限られ、利益を生み出せないのだから海外へ活路を求めるのは致し方ないが、大きな不安もある。
それは中国の政治情勢云々の問題と云うよりは、インバウンドに依存する北海道観光への不安である。管理人は観光産業が「水もの」であると考えている。もっと言えば、水商売であり、天候や経済、流行で大きく作用され、予測が難しい世界だからだ。国内観光客の動向を予測するだけでも難儀なのに、海外からの入り込みなど不確定要素が多すぎ、投資ファンドにつぎ込むのに近いものがある。
勿論、道や自治体、加森観光のような大手観光業者が海外に活路を見出し、プロモーションや業務提携をすることは必須であるし、否定はしていない。景気低迷や小子化などで国内観光客のポテンシャルに見切りを付けてしまうことも市場論理から云って理解できる。
しかし、前述したように観光は「水もの」、予測が大変難しい。インバウンドへの加重は、ひとつ誤れば、北海道観光の空洞化を招くと管理人は考える。
実は道内宿泊客の9割近くは道内在住者だ。このいちばん大きな市場に目が向いていないような気がする。道外客も含め、もう一度、国内に対し「オール北海道」の魅力を国内に訴える必要があるのではないか。ネタ切れ(本当は戦略を誤っているだけ)、費用対効果が期待できない、ならばアジアに使った方がいいという声を聞えてきそうであるが、国内対策は疎かにしてはならない。
国内客で賑わってこそ海外からの観光客にも北海道が魅力的に映る訳で、中国人だけの温泉ホテル、スキー場では将来はない。
また、日本人の多くがマナーの問題などでアジア系観光客と一緒の宿に泊まりたくないと思っているであろうが、今の「隔離」するようなやり方が続いている限り、大きな発展は望めないのではないか(今は交流以前の問題である)。
まだ手探り状態で、痛し痒しの問題だらけだが、外国人、国内客を問わず、ファン作りが解決に繫がるはずだ。リピーターが育てば、マナー問題も解決され、アレルギーもなくなるであろう。その為には少し時間がかかりそうだが、日本側に「育てる」余裕があるであろうか。
かつて、欧州のリゾート地(スペイン・ポルトガルや地中海諸国など)は、外国人(英・独・仏・米など)観光客に占領され、その国の観光客は少数であった。それは経済格差(EU統合以前)があり、別荘購入や旅行をする余裕がなかったからだが、このままでは日本もそうなってしまいそうである。

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