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東横インが顧客カードの入会金を社員が自己負担、社員を社員と思わない懲りない体質だ

フロント業務の長時間労働をめぐる労使トラブルが表面化している大手ビジネスホテルチェーン「東横イン」(本社・東京都)の四国にある一部店舗で、顧客会員カードの入会金を社員が自己負担で支払っていたことが、東横イン労働組合の調査で明らかになった。(10/19付 朝日新聞)

同労組は「ノルマ達成のため上司から強制されていた。他店でも同様の行為があるのではないか」として再発防止を会社側に求めた。このカードは「東横インクラブカード」。公式ホームページによれば、入会金は1500円で、無料宿泊券(10泊で1枚)や割引などの特典が付く。

労組の説明では、この店舗では部屋数と同じ数の新規会員獲得が毎月のノルマとされていたという。カード登録には宿泊客の写真も必要。穴埋めの際には社員自身の写真や雑誌のモデル、足りなければペットなどの写真も使っていた。架空の人名を登録したうえで、実在しない顧客のカードを作っていたという。

 

それにしても懲りないホテルだ。2006年、建物の不正改造や障害者対策などで大目玉を喰らったのは記憶に新しいところだ。当時、オーナーの西田憲正氏はことの重大さを理解していなかったようで、人を食った記者会見をして、その後、謝罪をしたもののオーナー職を下りる羽目になっている。

その後、コンプライアンス委員会などを立ち上げたようだが、事実上のオーナーのままで、そのワンマン体制ぶりは変わっていなかったのではないか。以前、西田氏の著書を読んだことがあるが、東横インは女性スタッフ(支配人)を登用し、特に離婚歴などがあり、人生経験が豊富にも関わらず、職に恵まれない中年女性を積極的に採用して、自ら彼女たちの手助けをして、社会貢献をしていると自慢げに述べていた。

彼女たちは、母子家庭など厭でも頑張らざるを得ない環境におり、大変弱い立場にいる。東横インの雇用関係は、一見弱者救済をしているようみ見えるが、実際は行き場のない中年女性の弱みに付け込んで、薄給・各種手当もろくに出さずにこき使っていたともいえる。東横インの合理主義経営はビジネス的には参考にはなるが、人を大事にしない、法を遵守しないという反社会性が最大の問題である。

長時間残業はざらであり、最近になり、やっと組合が結成されていた。今回のホテルカードの件は気の毒な話だ。全国のエリア会議や支店長ミーティングで、数字を発表させて、成績の悪い担当者を槍玉にしているのであろうが、サクラで会員を増やすなどという旧態依然としたやり方を押し通す企業風土には呆れてしまう。未だに西田氏が実権を握り、ある種の恐怖政治的手法で営業拡販をしているのであれば、この4年間全く変わっていなかった訳だ。

この西田氏、著書の中で、社員研修に「内観法」を体験させると書いてあった。内観法とは「仏教の中の自己啓発のようなもので、過去を振り返り、自分の過去の想い出を、特定の身近かの人々との関係の中から、組織的に順序立てて、徹底的に調べてゆく」というものだ。管理人も内観法には興味があるのだが、この方に内観法を語る資格はないであろう。ひとつ間違えれば、従業員のマインドコントロールに繫がる。

 

管理人は宿泊特化型全国チェーンホテルには厳しいことを書いているが、今回の事件はこれまでと本質が異なる。東横インにけなげに働く、女性スタッフが心から気の毒に思えてくる。東横インにはホスピタリティをビジネスとする資格はなく、管理人は二度と泊まることはないであろう。

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