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「じゃらん」の手数料値上げと問題多い「リスティング広告」のあり方

jalan.net

前回のブログでは楽天トラベルの北海道人気宿について書いたが、 楽天やじゃらんに代表されるネットエージェントについて今日は考えてみたい。

昨年秋、「じゃらんnet」が手数料値上げ(8%→10%)の発表をしたことが大きな波紋を呼んだ。拙ブログでもこのニュースは取上げたが、業界内の出来事にも関わらず、一般メディアでも大きく報じられたのでご存知の方も多いであろう。

昨年暮から各地の旅館組合などが運営するリクルート社と値上げ撤回についての話し合いを持ったが、どれもが平行線。リクルート側の頑な姿勢は変わらず、宿側を怒らせている。(政治力があると云われる箱根温泉旅館旅館共同組合が発表した資料はこちら)。

いちばん問題となっているのは、ポイントシステムを宿側に負担させる点であるが、宿泊とは関係ないホットペッパーのポイント負担に不満が噴出しているようだ。楽天トラベルのスーパーポイントを模したものではないかと思われるが、今回の手数料値上げでもうひとつ気になっている点がある。

それは、「リスティング広告」に関する点だ。今回の値上げでは、販促費である「リスティング」にかかる費用が増しているとリクルート側は説明している。リスティングを増やせば、更に宿側へ誘導できると言っている。宿泊予約サイトのリスティングとは、おもに検索エンジンに宿名や温泉地名などのキーワードを入力するとトップか右ページに宿泊施設名が出てくる。そこに登場するものの多くは、宿側の自前サイトではなく、宿泊予約サイト内で紹介されている宿情報である。これは非常に紛らわしいのだ。

そこをクリックすると、いっきに宿泊予約サイトの宿情報のページへ飛ぶ。本来、宿泊予約サイトは、トップページから宿泊日・地域・希望条件などを選んで入っていくのが通常である。管理人はいつもこの方法で予約をしている。しかし、実際はトップページから入力して入る利用者は少なく、リスティングから入る予約が全体の8割から9割という話もある。

手数料値上げのニュースが出た際、この件に関する宿泊施設オーナーの感想をいくつかブログで読み比べてみた。反応としては、これまでじゃらんのビジネスモデルに乗っかったため、顧客が掴めるようになった。今さら脱退もできず、販促(リスティングなど)もやってもらえれるので値上げは仕方ないという意見。もうひとつは、こちらからリスティングなど頼んだ覚えはない。本来なら自前サイトから予約を入れるのが筋であり、宿側の勉強不足と努力不足があり、足元を見られているといった意見など大きく分けると値上げ受諾(仕方なし)と値上げ反対とに二分されている気がする。

大手エージェント(リアルエージェント)と交流が少ない小規模の宿ほどじゃらんのようなネットエージェントに依存していることが伺えた。

リスティングに戻るが、これは販促とも云えるが、営業妨害とも云える。本来、手数料のかからない自前サイトに誘導をしたいのがあるべき姿であるが、ネットエージェントはお客をさらってしまっている。この考え方に関しては宿側でも考えが分かれるであろう。しかし、健全(?)な発展を考えれば、リスティングは「おとり広告」とも受け取られる。

さらに、リスティング広告がどこに配信されているかといったデータなどは宿側に届いているのであろうか(リクルートもどこまで把握しているのか?)。

また、ポイント制度にしても他の宿泊施設に泊まった際、加算されたポイントが別の宿で使えるのもおかしくないか。これも宿側の負担であり、無料宿泊券の引換えなど泊まったことのない宿で使えるのも納得がいかない。管理人はユーザーの立場であるが、初めての宿でこういった特典を使いたくない。

どうして、宿泊施設は文句を言わないのであろうか。

かつて、JTBなどのリアルエージェントが宿を支配している時、大型ホテルを中心に旅行会社に丸投げの状態が長く続いた。多少、手数料が高くもお客さんを運んでもらえる。本来なら宿側がクライアントのはずだが、宿が旅行会社に営業を掛け、ゴマすりするような時代もあった。

ネットエージェントが登場してその構図は変わったであろうか?管理人は本質的には同じと思っている。対象がリアルからネットへ、販促も紙からwebに移っただけで、エージェントへ丸投げの姿勢は変わっていない。エージェント様の言うことを信じていれば、お客様を運んでもらえると。

今は大型ホテルがリアルとネット、さらに自前(サイト)を使い分けながら活路を見出している。ネットエージェントの恩恵をいちばん受けた小宿は翻弄されているような気がする。

今後、他のエージェントも値上げを仕掛けてくるであろう。それに対し宿側はどう対応するのか?今回のじゃらん問題も丸投げをしていた宿側にも問題がある。やはり勉強不足をかんじてしまう。ネットエージェントにしても既存のビジネスモデルはそれほど長続きはしないと思う。

次の波に備える意味でも、宿側は自前サイトの充実が必要である。「次の波」についてはまた近々に述べたいと思う。

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