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野口観光が箱根へ進出、高級化路線と並行して企業イメージの統一も必要では

ホテル・旅館経営道内大手の野口観光(登別、野口秀夫社長)は22日、国際的な温泉リゾート地、神奈川県箱根町の4温泉施設を買収したことを明らかにした。近く改装に着手し、6月から来年3月までに順次開業する。同社が道外でホテルを開業するのは初めて。高級旅館の激戦地、箱根に進出することで知名度を上げ、関東圏での拡大の足がかりとする考えだ。 (2/23付 道新)

 野口観光が買収した施設は、高級旅館「元湯場沙羅亭」と企業の保養所であった「紅葉閣」「箱根強羅山荘」「早雲山荘」の4施設。「紅葉閣」は日本たばこ産業の、「箱根強羅荘」は明治安田生命の保養所であったが、すでに閉鎖されている。「早雲山荘」はもともと日本輸出入銀行の保養所で、国が資産処分したものを入札で取得した。

まず、6月に沙羅亭を旅館「北乃風茶寮」として開業し、紅葉閣は、野口の高級ブランドである「望楼」に、隣接する早雲山荘と箱根強羅荘はひとつの旅館に改装するという。

集客だが、登別と湯の川にある「望楼」宿泊者を対象にDMを送り、新施設を紹介する。望楼の客は首都圏在住者が多い。

野口観光はこれまで道内限定で大型温泉ホテルを運営してきた。団体客を中心に利益を他に漏らさないために、旅館内にあるゆる施設を置き、すべて旅館内で消費できる仕組みをつくっていたが、このマスプロ・システムが機能しなくなってしまった(同様なビジネスモデルのカラカミ観光は苦戦している)。

野口の新ブランド「望楼」はターゲットを道内ではなく、道外客に置いた。これまでの大箱温泉ホテル会社のイメージを覆し、高評価を受けた。団体客が減り、ツアー客の単価も下がった現在、集客の中心は個人客、それも客単価が高い世間で云う「富裕層」である。パイが限られた道内ではなく、お得意様が多い首都圏に進出するのは自然な流れである。

以前、カラカミ観光が南紀白浜などで大型旅館を買収したが、今回はターゲットが異なる。箱根は需要も高いが、競争も激しく、特に高級旅館は移り変わりが多い。いかにリピーターを付けるか口コミ効果も大きい。

そのためには、「望楼」をはじめてした道内施設の評判を高めることが必要だ。テレビCMで流れている野口のホテルは道外からのツアー客も多い。しかし、登別の望楼と石水亭、湯の川の望楼と啄木亭では差がありすぎる。鶴雅グループの宿でもかなりの格差はあるが、個人客をターゲットにしているので一定水準は守られている。

野口観光の場合、大型ホテルと高級宿の格差が大きすぎるので、鶴雅のような共通したアイデンティティづくりが求められるのではないか。

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