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別府温泉に見たおもてなしの心

3日(日)午前、NHK総合テレビで「湯けむりの中のニッポン~外国人たちの見た別府~」という番組が放映された。別府で暮らす外国人ガイドや訪問をした外国人観光客の目を通じて別府温泉の魅力を紹介している。
はじめて日本に来たスイス人は鉄輪温泉の湯治宿(別府では自炊型の宿を貸間という)を気に入り、旅館の女将や滞在客との交流が生まれる。別府の湯と町並み、そこに暮らす人々が好きになったアメリカ人は、やがて居を構えるようになり、外国人ガイドになるなど日本の温泉文化に魅了された外国人の姿を紹介していた。
テレビで見ていても別府の魅力が充分に伝わってきた。特に療養温泉として栄えた鉄輪温泉のライフスタイルは、外国人から見れば自然なスタイルで日本情緒を満喫することができる。
お仕着せではない普段着の日本が残っており、もっとPRをして大いに体験してもらいたいものだ。
別府は古くから温泉として栄え、常に新しいものを取り入れてきたマチだ。日本で最初に女性観光バスガイドを採用(亀の井バス)したのが別府である。交通網の発達により、大正時代からの旅行ブームをいち早くキャッチ、関西圏から大勢の観光客が訪れるようになり、戦後は大型ホテルを建設、娯楽慰安、療養のどちらにも対応できる温泉として、キングの位置を占めてきたが、バブル前あたりから翳りがみえはじめた。
大型ホテルや古い療養宿は飽きられ、湯布院のような文化テーマパーク型温泉地に人気を奪われたが、このところの温泉に対するホンモノ志向、ロングステイ型への関心、外国人の受け入れなど別府温泉への評価が高まっている。
特に別府八湯地域において温泉を核としたウェルネス産業を起こす事を目的で、各種の観光プログラムを提供する別府八湯温泉泊覧会(=オンパク)の立ち上げなど地域が一体となって再生へ向けたおもてなし事業を実施している。
最近、函館の湯の川温泉が別府のノウハウを借りて「湯の川オンパク」をスタートしたが、温泉地としての規模や文化的成熟度を考えると横綱と十両ぐらいの差がある。
別府には長年培われたおもてなしの心があるが、北海道には残念ながら別府のようなホスピタリティ文化は育っていないと思う。土壌が違うのだから同じことを追ってもホンモノは育たないはずだ。

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