管理人は夕方時間があれば、一杯ひっかけるのが好きだ。バー、スペインバル、駅ナカ、蕎麦屋、酒屋の角打ちなど業態は様々だが、その時の気分や懐具合と相談しながらルーティンワーク化している。時間は10分ぐらいから長くても1時間ほど。あくまでも食前酒である。
札幌滞在中に必ず訪れるのが、ホテルオークラ札幌のバー「オークラ」である。1階にあるレストラン「コンチネンタル」の脇に専用階段があり、中二階のようになったところにバーがある。このホテルをよく訪れている人に聞いても、「そんな場所知らない」という人が多く、いわゆる「隠れ屋」である。
カウンターとボックス席があるが迷わず、カウンターへ。カウンターは5席ほど。普段は男性のバーテンダーK氏とS君が切り盛りしており、混んでくると下のコンチネンタルから助けが入る。管理人が顔を出す時間帯は6時前後だがまだ閑散としている。北海道は夕食前に軽くやる習慣がないと訊いたが、いつも早い時間は空いており、やはりそのようである。
年に数回訪れるレベルだが、顔を出すとチーフのK氏がいきなり、「O様、○月以来ですね」とすぐに出迎えの挨拶が。その月日が正確であり、常連客でもVIPでもない管理人を覚えてくれていることに感激する。30年以上のキャリアは伊達ではなく、謙虚な人柄に好感が持てる。流石はオークラといったところか。
先日、K氏から自らの信条というか仕事に対する5つの心得を聞いた。これはマニュアル本に書いてあるものではなく、自らの体験・経験から発見したものなので是非紹介をしたい。
- ホスピタリティ(hospitality) 勿論、おもてなしという意味だが、「客好き」という意味もあるそうだ。客を好きになる
- スキル(skill) バーテンダーとしての専門性、プロとしての技量・知識は勿論だが、サービスも含まれる
- エモーション(emotion) 感動を与えることができるか。また相手から貰うこともある
- プライオリティ(priority) 今何に重点置くか 場を読む能力である
- サプライズ(surprise) 驚きというよりは意外性。いつも新鮮な気持ちでいられるか
この5つの心得を聞いて、思わずメモした。だからブログで紹介できる。サービス業だけではなく、人と接するあらゆる分野に通じる内容だ。頭で理解するのは簡単だが、実際には大変なことである。ホスピタリティ・ビジネスに携わっている方には是非、認識していただきたい5つの心得だ。
なお、バー「オークラ」、料金は至って庶民的。HPを見ていただければわかるがハイボールなら7百円ほど。さらに5時から7時までの「ハッピーアワー」ならドリンクが全品半額である。申し訳ないぐらいの金額だが、正統派バー好きの人にはおすすめである。昼の疲れが取れる。
札幌のホテルバー事情を紹介したブログはこちら
拝見致しました。心からくつろげる空間ですよね
あやめさん、コメントありがとうございます。
オークラのバーは女性ひとりでも寛げると思います。食事もレストランから取れます。
是非、訪ねて下さい。
管理人様
初めて投稿いたします。また、北杜の窓を日頃より楽しく拝見させていただいております。ホテルオークラ札幌のバーは確かに隠れ家にするには大変良好な場所です。また、このホテルの規模は顧客の目配りや気配りが行き届きやすくユーザーが安心して宿泊や食事等ができる札幌で数少ない「ホテル」と名乗るにふさわしい場所と思います。余談ですが昨今の札幌市内のビジネスホテルは過去の栄光、もとい、伝統しか売りがないあのホテルに比べモノにならない程部屋のしつらえやスタッフの気配り、朝食の内容とあまりに立派で驚いています。ホテルによっては顧客のニーズに対する応えの速さに感銘すらします。
オークラさんは淘汰することはないでしょうし、ユーザーには見えない努力をされていると思います。
あさま山荘さん、はじめまして。
拙ブログを日頃から読まれているということで嬉しく思います。それにしてもユニークなお名前ですね。
オークラは札幌の都市ホテルの中では規模が小さいせいか、きめ細かいサービスに定評があります。聞いた話ですが、個人客を優先しており、外国人団体客は一定以上取らないようにしているようです。ブランドと伝統に胡坐をかいているだけでは、あさま山荘さんが指摘した某ホテルのようになってしまいます。
現在、チェーン型ビジネスホテルのレベルアップが急速です。客室だけではなく、朝食メニューも既に都市ホテルを凌駕しているところも目立ちます。
こうなってくると、都市ホテル宿泊に何を求めるか?管理人は「寛ぎ」や「ゆとり」を求めます。効率性を重視するビジネスホテルでは補えない部分ではないでしょうか。