くしろバス、阿寒バス、北海道中央バスの3社は7月28日から、共同運行する釧路-札幌間の都市間バス「スターライト釧路号」を1日2往復から3往復に増回する。新たに運行するのは、中央バス札幌ターミナル17:15発と釧路駅前ターミナル7:50発。 (6/29付 道新)
「スターライト釧路号」は1987年の運転開始、道内の夜行バスでは札幌-函館線と共に古い歴史がある。女性専用車を設けるなど最盛期は1日4往復体制で運転されていたが、1996年JR特急の「スーパーおおぞら」の登場で、札幌釧路間の所要時間が大幅に短縮、その後は2往復で運転されていたが、夜行を中心に根強い人気があった。
今回の増便は、道東自動車道の占冠-夕張間の今秋開通を見据えて昨年8月から増便を検討していたのもので、開通により、現在6時間10~25分の札幌-釧路の所要時間が約40分に短縮されるため、乗客アンケートなどで要望の多い時間の追加運行を決めた。
高速道開通後は所要時間が最短で5時間30分となる。JR特急と比較するとまだ90分以上の差はあるが、大幅な時間短縮と云える。今後、道東道が釧路まで延伸するのは平成30年頃になりそうだが、高速道の区間延長が実施される度に早着となるので、今後も増便が予想される。
実際、高速道路が少しずつ南進している道央道を走る「高速はこだて号」では、昨年、今年と増便されており、さらに北海道バスの「函館特急ニュースター号」が今年3月からあらたに新規参入、札幌-函館線は7往復からいっきに13往復となり、本数ではJR特急と肩を並べた。道央道は今秋に落部-森間が開通、さらに来年度には前倒しで森-大沼公園間が開通する。現行最速で5時間10分の所要時間は4時間半以下となるであろう。
高速道路の延伸はJRだけではなく、航空会社にとっても脅威の存在である。本来、都市間バスと航空機は利用者層が異なるので、ダメージが少ないと思われているが、道内便に限って云えば、札幌-紋別間など空路の撤退や縮小が相次いでいる。すでに高速道が丸瀬布ICまで開通、「高速流氷もんべつ号」は4時間20分で札幌と結んでおり、空路の出番はなくなった。
同じオホーツク圏では、札幌と北見・網走を結ぶ都市間高速バス「ドリーミングオホーツク号は所要時間でもJR特急の「オホーツク」を上回っている(北見まで4時間半、網走まで5時間50分昼行便の場合)。ビジネスマンにも広く利用されているが、運賃では割高なJRや道内便航空路線の今後は厳しいと言わざるを得ない。
高速都市間バスは今後も所要時間の短縮が多くの路線で期待されるが、JRの現状ではそれが難しい。仮に石北本線でスピードアップ工事をしても、それに合うだけの利用者は見込めないであろう。このところJRや北海道エアシステムの事故やトラブルが相次いでいるので、さらにバスへ乗客が流れるかもしれない。
女性や若年層、さらに最近では中高年層でも、高速バス利用者が増え、すっかり市民権を獲得している。鉄道会社はどうやって、これ以上利用者をバスに流出させず、取り戻すことができるか、難題であるが、その努力にも期待したい。
【参考】道内高速バス予約サイト「楽得バス」公式HP
写真はくしろバスのJR広告ラッピングバス、共存共栄?
JRは、高速バス利用者を特急列車に呼び込もうとしているのでしょうが、昨今の経済情勢では困難でしょうね。
むしろ、高速バスから、普通列車にシフトさせることを考えてもいいんじゃないか、と思います。
現行の普通列車同士の、わざと乗り継がせないようにしているとしか思えぬ接続を改善し、長距離移動でも普通列車が使い物になるようにする。
その上で、普通列車乗り放題系の企画切符を拡充すれば、高速バス利用層をそれなりに取り込めるのではないでしょうか。
まあ、青春18きっぷマニアの妄言ですが。
稚内のてっぺんです 稚内もJR 都市間バス 航空機 の三つが並存してますが バスは6時間 JRは5時間といずれも乗るにはギリギリの時間で運賃もあまり変わりません 旭川に行くにはJRしかありません。せめて特急サロベツを増便して旭川止まりとしてスーパーホワイトアローに乗り継ぐダイヤにできないかな。あと生活時間に合わせたダイヤ設定を… 午後5時になると夜行バス以外 稚内から旭川や札幌に行く手段がないのはまさに日本の辺境です(泣)
地球ネコさん、こんにちは。
北海道での普通列車乗り放題きっぷは何種類かありますね。道央圏の休日フリーパス、東日本北海道パス、そして青春18など。しかし、札幌近郊以外は本数が少なく、接続が悪く、何しろ所要時間がかかり過ぎます。
鉄道好きな管理人でも、北海道で18きっぷを使ったのは数えるほどです。まして、高速バス利用層の女性や若者が買物や就活で普通列車を使うとは思えません。
快速「ミッドナイト」も利用者減少で廃止になっています。乗り心地は高速バスよりも鉄道に軍配が上がるのですが、鉄道=運賃が高い、駅まで行くのが面倒などマイナスのイメージが構築されて、鉄道離れを起こしてしまっていると思います。
てっぺんさん、こんにちは。
稚内も鉄道、バス、航空機の激戦区ですね。狭い市場を取りあっているかんじです。
現行のJRダイヤは不便です。札幌から行く場合、適当な時間に特急の設定がありません。急行4本体制の時の方が使い勝手がよかったです。
おっしゃる通り、旭川止まり(礼文)があってもいいかと思います。管理人は何度か礼文を利用しましたが便利でした。
旭川行きのバスが廃止されたことは知りませんでした。浜頓別へ行く天北線代替バスも宗谷岬経由に変わり、代替バスの使命は終わりましたね。