寒さは日々厳しくなるだけに、休日ぐらい温泉でホッと温まりたいもの。そんな湯めぐりに役立つ国内の温泉ベスト100をこのほど、観光業界の専門紙が発表した。旅行会社のプロが投票、今回で25年目を迎える伝統のランキングだけに信頼性は十分。草津温泉(群馬)が9年連続の1位を達成したほか、東日本大震災の影響が思わぬ土地に異変を及ぼすなど興味深い結果となった。(1/7付 ZAKZAK夕刊フジ)
「にっぽんの温泉100選」は拙サイトでも度々、記事を紹介している業界紙「観光経済新聞」が旅行会社やネットエージェントにはがきで投票を依頼するもので、1987年にスタートした歴史ある調査である。
業界紙が選ぶランキングは、利用者とプロの視点にズレが生じることがあるが、このランキングに登場する温泉名を見ていると「適正」といってよいのではないか。
1位草津は昨年と変わらず2003年から9年連続のトップ。さすがであるが、首都圏から近いという地の利もあるであろう。昨年2位であった登別は3位に後退、昨年3位の湯布院が入れ替わり2位に入っている。
北海道勢は全体に退潮が目立つ。湯の川(18→39位)、定山渓(40→62位)、洞爺湖(48→73位)も大幅ダウン。それ以外にも十勝川(17→23位)、阿寒湖(36→41位)、層雲峡(67→72位)である。ちなみにアップはウトロ(62→58位)のみであり、川湯(48位)が現状維持である。
ダウン幅の大きい洞爺湖・湯の川・定山渓は大型ホテルが多く、団体需要が大きい。震災による外国人客激減により、インバウンド依存の高かったこれらの温泉地は評価を下げている。仮に震災がなかったとしてもアップはなかったのではないか。
上位にランクされている草津、湯布院、黒川などは温泉街など全体的に雰囲気があるが北海道の温泉地はここはいちばん弱い。カラカミ観光の経営危機を見ても、これまでのビジネスモデルの限界が見える。外国人観光客も国内団体客が外国に変わっただけで、やっていることは同じである。
また、道内ではないが、伊豆の退潮も目立つ。たまたま先日、伊豆の温泉関係者と話す機会があったが、稲取や熱川、下田などの温泉地は20年前の三分の一近くまで減っているようである。その理由は複合的であるが、バブル期の思考から抜け出せなかったのではないか。草津と伊豆の違いも検証してみると面白そうだ。
今後もイノベーションが出来ない温泉地は衰退が続くであろう。
専門家投票によるランキング結果、なんとも興味深く拝見しました。
湯の川、定山渓、洞爺湖…ご指摘の通り、温泉街としての魅力に欠けますね。湯上りにブラつきたい感じではありません。大ホテルがスナックバーや土産物店の機能まで抱え込んだせいもあるのか、周囲に覗いて歩きたくなるようなお店が乏しいです。また、幹線道路が温泉街を分断しているのも、出歩く魅力を欠く一因でしょう。
とは言え、大箱の温泉ならではの利用法もありますね。
私自身が、名前だけ入っているスポーツサークルで、この手の温泉ホテルを使った「合宿」をすることがあります。
昼間は近隣で練習し、夜は温泉ホテルで大宴会。
持ち込みで飲めば、ススキノでハシゴしてタクシー帰りするより安上がりですし、温泉だから家族連れで参加したり、私のような幽霊部員も顔を出す、という寸法です。
その際に問題になるのが、グラウンドや体育館など練習場所の確保。こっちはみんなマイカーで動いているので、その温泉街に無くても、隣接市町村の河川敷とかで充分なのですが、そういった施設の情報って意外と入手にしくいんですよね。
と、話がそれましたが、要は、大箱のホテルや幹線道路などのハードを急に変える事は困難だけれど、既存施設で売って行くために打つ手はいろいろあるはずだと思います。
地球ネコさん、コメントありがとうございます。
道内の大型温泉地と大型ホテルのあり方については、このサイトで何十回と書いてきていますが、そのモデルも崩壊寸前であると思っています。
各温泉地では温泉街全体で楽しめるような街に変えようと頑張っていますが、多くの宿泊客は大箱に泊まってしまっており外へ出ず、利用する側の意識変革や温泉側がいかに動機付けを与えるかも重要かもしれません。
おっしゃる通り、大箱のホテルや幹線道路などのハードを急に変える事は難しいですが、中味から変えていくことは可能です。そこをどうするか試行錯誤をしていますが、地域と温泉、宿のフラットな体勢でのネットワーク強化が基本だと考えます。