北海道観光振興機構が夏の北海道に5泊以上同じ宿に滞在する観光旅行者に対し、大人1名につき3万円(中学生以上)、子供1.5万円のキャッシュバックを行う「北海道長期滞在モニター」の募集が、6月1日(金)より開始される。
モニター受入期間は2012年7月1日~9月30日、募集人数は1,000名。 対象となるのは、北海道外(日本国内)に在住で、観光を目的とした5連泊以上の連泊およびアンケートへの回答、本旅行で負担する旅費(運賃・宿泊費用など)が5万円以上となる場合だ。 モニターの受入地域は北海道全域で、6月1日開設予定の専用WEBサイトから希望する地域・宿泊施設を選択し、申し込むというもの。
これはなかなかの大型企画だ。親子4人連れなら12~8万円が戻ってくる計算になり、かなりお得に北海道旅行が体験できる。同一の宿泊個所に5泊というのはハードルであるが、コテージ・コンドミニアムや体験型の宿泊施設での滞在であれば、費用も割安で済む。
ひとつ気になったのが、専用サイトの開設と申込みが6月1日という点である。既に夏休みを間近に控えており、長期滞在旅行であればかなり前から計画を立てなくてはならず、この時期では遅すぎる。申込み開始日はいいとしても、宿泊できる具体的な地域と施設名は事前に公表すべきである。
また、申込み方法も「6月1日(金)に開設予定の下記のWEBサイトをご覧いただき、 モニター参加を希望する地域・宿泊施設を選んで、 該当地域の受付窓口に、申込み・問い合わせをしてください。」とある。この該当地域の受付窓口への申込みとはWebなのか電話か郵送かよく意味がわからない。あとは勝手に交渉しろということか。このあたりもう少し親切に表記していただきたいと思う。
さらに申込み開始とサイト開設が迫っているにも関わらず、メディアで殆ど告知されていない。管理人が知る限り、日経新聞の記事だけである。このあたり、もう少し早い時期からメディア戦略を打つべきであろう。非常に話題性がある企画で、実際に長期滞在客を増やすきっかけづくりになるかもしれないので勿体ない話である。
昨年の夏は”長期滞在元年”と一部で謳われたが、実際はそれほど数字が伸びなかったのではないか。去年の場合は、「節電クールトラベラー」や「原発疎開」など震災が元になったネガティブ志向の滞在型であり、自粛傾向もあり、旅行需要そのものが伸びなかった。
昨年は管理人もいよいよ「滞在型元年」だと少し煽り、いくつかのメディアの取材を受けた際も、観光形態が変わり始めるエポックイヤーだと新聞や雑誌、ネットニュースなどで述べたが、ややフライングであったかもしれない。しかし、道内で行われている「涼しい北海道で・・・」といった長期滞在プロジェクトでは数字を伸ばしているところも多く、震災とは別次元という気もする。現在は中高年層が中心だが、潜在的な市場は大きい。
今夏も節電がクローズアップされているが、旅行需要の回復(この4,5年ではいちばん)が見込まれるので、北海道長期滞在旅行はこれからが本番と云えるであろう。
そういう意味でも今年がスタートラインである。この「北海道長期滞在モニター」には注目したい。
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