北杜の窓(ブログ版)「10年目に突入」

北杜の窓(ブログ版)「10年目に突入」

ブログ版北杜の窓が10年目に突入した。スタートは2004年11月2日でちょうどブログというツールが知られ始めた頃である。2006年頃までのデータが消えているので、何を最初に書いたかは覚えていないが、これまで1700回位の更新があるかと思う。

一昨年からツイッター版、昨年からはフェイスブック版も始めたが、ツイッターはブログの更新時のみ自動的に更新され、独自のコメントは載せていないので休止状態、最近は最新情報はフェイスブック版の方が中心にして、より掘り下げたいものはブログに書くようにしています。

スタートした頃は今のような「観光マーケティング」ではなく、道内の地域ブランドづくりなどの仕事に携わっており、観光は二次的なものであった。ちょうど行政が民間に遅れること数年、やたらブランド化と騒ぎ始めた頃である。ブランドはいかにも外資系的発想の概念であり、それを作り上げ、根付かせることは大変なことである。一方通行で作れるものでもなく、時間をかけて醸成させて行くものなので安易に地域ブランドづくりと言われても、出来るものではなく抵抗もあった。管理人は地域ブランドも観光に含まれると思っていたが、当時はプロダクトはプロダクトであり、それがどうして観光になるのか理解していただけないことも多かった。

北海道観光も当時は今ほど外国人も多くなく、従来の団体依存、物見遊山、マス・ツーリズムから脱却できない状態にいた。既に個人旅行やインバウンドの増加、体験型観光や長期滞在がこれからのキーワードになることは知られていたが、現実には追いつけず、そのギャップに苦しんでいた。

それから10年近くが経過し、少しずつ観光形態は変わってきている。地域特産品(食材)と観光をリンクさせることも一般的となり、そういう意味ではプロダクトと観光が繋がるようになったかもしれない。道や地域行政も体験型や長期滞在などには力を注いでいるが、大きな数字で見てみるとニュー・ツーリズムのようなものが占める割合はまだ低く、大きな流れはまだマス・ツーリズムにあると思う。

管理人は今後もこの流れはあまり変わらないと信じている。現在は航空券と宿が付くようなパック旅行や自由度が高い団体旅行が北海道観光の主力である。LCCが就航したとはいえダイナミック・パッケージが普及をして来ているので募集型企画旅行のシェアはまだ伸びるかもしれない。こういった形態をマス・ツーリズムと言ってしまえばそれまでだが、問題は中身である。旅行の中に体験型メニューや地元密着の交流型のオプションなどが加わり、形態はマス・ツーリズムであるが、コンテンツにはニュー・ツーリズムが取り入れられ、同じパック旅行でも時代とともに質が変わって来ている。今後は扱いは「団体」でも、より「個人」の感覚に近いものが主流になってくるであろう。訪れる観光地や内容も世代交代をするが、淘汰も時代の流れである。

逆の見方をすると個人旅行の増加がイコールでニュー・ツーリズムの普及ではないといえる。定番型の物見遊山の個人旅行もあれば、手軽なパック商品ながら旅行会社がニュー・ツーリズムを取り入れたり、旅行者が自ら選択するなど個人手配やパック、団体といった旅行形態ではなく、現地での行動スタイルが重要である。北海道観光は速度は遅いながらも進化はして行くであろう。

これまで北海道(の観光)は押しなべて大人しく、待ちの姿勢であったが、地域(地元民)が主体となった独自性の強いものを打ち出してもらいたいと思う。他所がやっているものを参考にするのはいいが、横並びではない魅力を発掘して、プログラムを用意していただきたい。

今後も北杜の窓では、観光をベースとした地域の魅力を伝えて行きたい。観光とはランドマーク巡りのような狭義なものではなく、食や住む人などその地域の個性といえるようなものを具体化して、魅力的なものとして外部へアピールできる素材が観光と考えている。

北海道観光研究所・北杜の窓立ち上げ時の趣旨として『消費者・利用者の立場から、北海道観光が成長し、「行ってよかった」・「また行きたい」といえる 真の観光立国へなれるような提言をして行きたい』と述べたが、その初心を変えずに継続して行きたいと思う。

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