新日本海フェリーの新潟―小樽航路への就航を控えた新造船「らべんだあ」(1万4125総トン)が7日、小樽港に入港した。船内の快適さやスピードを向上させた新鋭船で、9日の新潟発の便でデビューする。(3/8付 読売新聞北海道)
このところ長距離フェリーで新造船の就航が続いている。1970年に国内初の長距離フェリーを誕生させた新日本海フェリーも3月9日から新潟―小樽航路に新造船の「らべんだあ」を投入した。 所要時間は、これまでより3時間30分短い16時間となるが、「らべんだあ」に続き、6月28日からは同じ新潟-小樽航路に「あざれあ」が就航し、同区間のスピードアップが図られる。
実は、この時間短縮によって首都圏と北海道の連絡がスムーズになり、フェリーの使い勝手がよいものになっている。新造船就航前までの新潟発ダイヤは午前10時半出港であったが(小樽着は翌朝4時半)、「らべんだあ」では11時45分となる(小樽着は変わらず4時半)。
これまで東京から上越新幹線利用で当日に乗る場合、東京駅7時発(新潟着8時59分)に乗らなければ間に合わなかったが、新造船では8時24分発(新潟10時31分着)か9時12分発(10時49分着)でも間にあうようになった。
また、マイカー利用者も首都圏を5-6時頃に出発すれば乗船できるので深夜出発や新潟前泊という負担が減ることとなる。 出港が僅か1時間15分遅くなっただけだが、朝の早い時間、2時間以上後の新幹線で行けるようになったメリットは大きい。
北海道発は更なるメリットがある。小樽発はこれまでの19時半発(新潟着15時半)から17時発(新潟着9時)に変更となるが、新潟到着が15時半から朝の9時への変更によって北海道方面からの所要時間が大幅に短縮されている。
新幹線を利用すれば昼前には都内着が可能、マイカー利用でも午後には到着するので一日が有効に使えるようになった。この時間短縮で利便性がいっきに高まったと云える。
「らべんだあ」は個室が中心で、いちばん下位のツーリストCでも雑魚寝ではなく、2段ベッドになっている。全体的にグレードアップされているクルーズ志向の船である。最近の長距離フェリーはレストランがないものや簡単な軽食やバイキング形式のものが増え、サービスが簡素化されているが、新日本海フェリーでは、コース形式の料理も提供しており、伝統は守られているようである。既に「らべんだあ」の特等や一等を利用した旅行商品が大手旅行会社から売り出されているが、太平洋フェリーと競うことになるであろう。
なお、これまで小樽に早朝到着するとすぐに船を下船しなければならないのが問題になっていたが、6時までは船内に居られると旅行商品の広告には記載されていた。新日本海フェリーのHPにはこの件が載っていなかったが、これは有難いことである(出来れば8時ぐらい
までは船内にいたいが)。
参考までに北海道へ向かう長距離フェリーは、大洗と苫小牧を結ぶ商船三井フェリーが5月13日より、新造船「NEWさんふらわあ ふらの」が就航するので、こちらも楽しみである。
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