このブログの休止中、夕張に関する話題が日増しに増えてゆきました。特に各局ワイドショーやニュースで取りあげられたため、この財政破綻・財政再建団体入りは、主婦の世間話や飲み屋の会話に日常的に登場するようになりました。そして人ごとではないと思った方も多いはずです。
当初、好きな夕張がこんなかたちで注目を浴び、何とも複雑な気分で入院中の病室でテレビを見ていました。
特に最初に紹介された頃は、内容の間違いやテレビ特有のラフな作り、センセーショナルな構成が気になっていましたが、時間が経つにつれ、全体的に落ち着いた内容になってきたような気がしました。
先日の手作り成人式の話題は、結果的に視聴者を巻き込み連続ドラマのように盛り上がり、すべてのキー局でオンエアされました。来月には市民手作りによる映画祭が開催されるので多いに盛り上がり、再度露出も増えるでしょう。
また、夕張以外の財政破綻をしている空知の旧産炭地も紹介されるようになりました。歌志内や上砂川なども実情が紹介されましたが、夕張よりも厳しい面があり、オンエアされるだけまだ夕張はましかと思ったりしました。
夕張の抱えている問題はわかり易く、メディア向きのテーマであったかもしれません。
夕張の歴史は、閉山後、これでもかというぐらいの観光施設や映画祭などのイベントの物量攻勢で知名度を上げ、観光客を呼び込んできました。
その背後には、大手広告代理店の存在があり、多くが彼らのプレゼンにより、実行されたものです。
メディアの力を借り、一時的にも夕張は観光地の成功事例として取上げられました。管理人も大いに注目して今に至っています。
実際に知名度という面では道内に止まらず全国区になったので代理店を中心にメディアを活用したのは間違いとはいえません。
今回の破綻劇では、広告宣伝費を計上することなく、マスコミがわんさか駆けつけ、夕張を無料で紹介してくれました。広告効果としては凄いものでしょう。
これまで湯水の如く観光と宣伝にお金を使った夕張、今回は皮肉にも費用をかけずに知名度を高めてしまいました。
想像ですが、今後、メディアの力により、夕張を訪れる観光客は増えると予想します。行くことにより、多少なりにもお金を使い、夕張再興へ協力した気になれるでしょう。
また、そういう小さな力の結集が夕張には必要です。
皮肉にも行政が高価なプロモーション費用をかけなくても原則無料のパブリック・リレーション効果により世間の目を振り向かせた夕張。
地域を動かすのは行政ではなく、地域住民の時代に入っていることを顕すニュースともいえます。
これからも夕張を追ってゆきます。
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コメント(4件)
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お久しぶりです。
暫くブログの更新がありませんでしたが、体調崩されていたとのこと、お大事にされて下さい。
さて、夕張出身者として、毎日毎日、新聞、テレビが気になってしまうのですが、今では夕張といえばメロンを超えて、財政破綻の街としてがすっかり全国に有名になり、夕張という街の名を知らない人はいないのではないでしょうか。
私も管理人様に同感で、巨大な負のイメージでも、これを逆手にとり今だからできることを市民レベルでどんどん推し進めるチャンスだと思います。
財政に苦しむ自治体は全国に多く存在し、身近では空知の旧産炭地も青色吐息。夕張市の1万円の成人式予算よりも、まだ少ないところもあるとか。
むしろ、昨年6月の衝撃的な報道が、今となってはラッキーと考えるしかないと思います。2年後3年後では、たぶん違う自治体が夕張のような注目を浴びていたでしょう。
とにかく、夕張は受け身ではなく、可能性を追求することが大切と考えます。各分野のNPOに向けた活動も活発になってきました。
縁のあるアーティストも夕張に目を向けています。
日ハムも公開練習を夕張で検討しているとか。
私が一番最初に投稿させていただいた時の内容は、リリーズの里帰りコンサートに関することでしたが、昨年暮れに彼女たちと同期生で夕張に縁のあるもので会をたちあげ、今年は昨年以上に夕張の応援をしようと具体的で実現可能な計画を練っているところです。
ただ、単なるイベントではなく、夕張に少しでもお金が落ちるような企画ができればと思っています。
夕張出身者は全国に沢山います。
夕張の再建がこの先も、全国に注目してもらえるように、私達元市民も頑張って応援して行きたいと思います。
元夕張市民さんへ
充実した内容のコメントですね。2ヶ月近い休みがあったにも関わらず早速、訪問していただき嬉しい限りです。
夕張の件は予想以上に話題が広がり、思わぬ反響を呼びました。そしてこれまでとは違う新しい芽吹きをかんじています。
炭鉱があった頃からの名残か地域は運命共同体であり、受動的で従属的な関係が長く築かれてきたと思います。
産炭地が持つ独特の地域性が自立を妨げていたのでしょう。
今回の件は、これまで線路を引いてくれた親がいなくなり、自活しなければならない状況下に置かれたわけですが、予想以上に周囲の反響やサポートがあり、夕張をもう一度知らしめる絶好のチャンスであると考えます。
客観的に見て夕張の観光資産は中田市長時代、あそこまでやったのでそれなりの訴求力があります。
今回、これだけテレビで紹介されたので行ってみたいと思う人も多いはずです。
これからも継続的に夕張へ注目が集まり、新しい再生モデルが誕生することを楽しみにしています。
夕張に多くの観光客が集まり、市民の手により新たな産業やシステムが生まれれば夕張は日本の革命児になりますよ。
管理人も微力ですが応援してゆきたいと思います。
元市民さん、いつもありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
過去に、苫小牧市に’90年から5年強在住した者ですが、夕張市へも時々出張で行ったことがあります。
石炭で繁栄した町が今のように衰退状況にあることに心痛しております。
当時、石炭村博物館へも行きましたが、貴重な資料が沢山あり
今後も残して行くべきものと考えます。
私の在苫時代、夕張メロンは、道内でも、品種・価格が別格でありました。
現在、当地のメロン栽培がどのようになっているのか、分かりませんが、その価値が下落したとは思えません。
そこで、当地のメロン栽培を倍増(否、もっともっと増やす)
して、本州で夕張メロンが安く買えるように出来ませんか?
加えて、炭鉱博物館入館者には、夕張メロンの割引券交付は
如何でしょうか?
全く、夢物語かもしれませんが、ご意見お伺い致します。
藤井 健二 様
ご意見ありがとうございます。
懸念されていた炭鉱博物館は、歴史的価値や公共性が高く、このところの流れからいって廃止は免れそうな気配です。よかったですね。
メロン割引券公布、非常にユニークですね。確かに夕張メロンは一大ブランドであり、道内の他の赤肉メロンより1.5倍から2倍近い値段がします。
これだけ夕張が注目されたので、このところややブランド価値が落ちている夕張メロンを再アピールするにはいい機会です。
管理人は夕張に来た人たちにクーポンのようなものを販売したらどうかと考えています。たとえば1枚3千円から5千円で石炭の歴史村など観光施設の入場、飲食券、ちょっとしたお土産の贈呈や割引、宿泊施設の割引、商店街の買い物券など付けてそれにメロンが入れば話題性があります。
すべて地元にお金が落ちる仕組みです。