10月末で閉店した北見市の「きたみ東急百貨店」のビルが8日、「まちづくり北見大通りビル・北見パラボ」と名称を変えて生まれ変わり、一部オープンした。
旧きたみ東急百貨店は、北見駅前にバスターミナル、東急インなどを併設するかたちでマチの「核」として存在していた。しかし、地方都市に於ける中心街の空洞化や東急グループのリストラなどもあり、次第に存在感が薄れて閉店に追い込まれた。
新しいビルは、北見市が百貨店跡の土地を購入しビルの無償譲渡を受け、第三セクター「まちづくり北見」に管理運営を委託するというもの。最初に地階(食料品)と1階(洋品雑貨)、6階(レストラン・映画館)の3フロアが開店した。
果たして三セク形式のショッピングモールが成功するであろうか。同じ三セクが運営する釧路にある「フィッシャマンズワーフMOO」は、出来た頃の面影もなく、何とかテナントを埋めようとするだけで、全くコンセプトに欠ける魅力ないものになってしまっている。北見東急の場合は、地域住民がターゲットとなっているが、郊外店舗から呼び戻すことができのか大いに疑問である。
現在、道東地区で百貨店があるのは帯広の藤丸だけで孤軍奮闘している。釧路市は丸井今井が撤退した跡に民間施設「キュート」がオープンする予定であったが、テナントが集まらず募集を中止していると聞く。
北見市は人口が帯広や釧路と比べ少ない。この規模で百貨店を運営するのは、困難に近く、ショッピングモールに転換するとしてもよほどの”ウリ”がない限りは厳しいであろう。
北見市は釧路の二の舞を避けたかったのかもしれないが、三セク以外の方法(PFIなど)なかったのであろうか。唯一、救いはターミナルに位置し、ホテルや映画館「シアターボイス」があることである。集客機能があり、また地域の文化的拠点にもなりうる。
なお、「まちづくり北見大通りビル」では、愛称を募集中とのことである。
議会質問中止を迫る脅迫状 北見市議「危険も」と断念
2008年8月15日 19時36分
北海道北見市が出資する第3セクター「まちづくり北見」(永田正記社長)の運営状況を市議会でただそうとした民主党の田中稔浩市議(36)に質問をやめるよう迫る匿名の脅迫状が届いていたことが15日分かった。田中氏は予定していた質問を取りやめ、容疑者不詳のまま公務執行妨害容疑で北見署に告訴した。
田中氏によると、脅迫状は、まちづくり北見について質問すると市側に通告した直後の6月25日、自宅に郵送で届いた。田中氏は「傍聴者や職員にも危険が及ぶ可能性がある」と27日に予定していた質問を断念し、7月3日の会期末まで市議会を欠席した。
田中氏は質問や脅迫状の内容を明らかにしていないが「議員には質問権があり、脅迫でやめさせようとするのは卑劣極まりない」と話している。
まちづくり北見は、昨年10月の閉店に伴い、市に譲渡された旧きたみ東急百貨店ビルを管理・運営。神田孝次市長は同ビルに市役所を移転する方針を示している。
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008081501000929.html