釧路であの「くーちゃん」を見て来た。釧路駅方面で所用が終わり、くーちゃんが居る幣舞橋河端に向かって北大通を歩いたが、普段は閑散としている通りを歩く人の数が目立つ。20年近く釧路を歩いているが15年前の人出といったところか。通行人のすべてがくーちゃんを見に行ったとは限らないが、関連していることは間違いない。
幣舞橋欄干に到着すると橋の上には20人近い人が下を覗いている。管理人も川岸を覗くと4,50人の見物人が下に居り、中にはテレビクルーや転落者が出たこともあり、警備員が二人いる。階段を降り、現場に向かうとタイミングよく遊泳中のくーちゃんが棲家のコンクリート壁に戻ってきたところだった。周囲からどっと歓声が上がり、カメララッシュとなる。
管理人はラッコを見るのは初めてだが最初はアザラシかと思うぐらい大きくビックリした。確かに仕草は可愛い。釧路一の観光スポットの幣舞橋の欄干に登場するとは出来すぎの感もあるが(管理人は観光協会が連れて来たと冗談を吹聴している)、冬のこの場所で人をこれほど見たことはない。いや、夏の観光シーズンでもないことだ。
撮影を終えて、MOOの「美鈴珈琲」に立ち寄った。ここから見る夕陽は素晴らしいのでお気に入りの喫茶店だ。店主にくーちゃん効果を尋ねると売上げ3倍とのこと。普段は閑散としているMOO全体が記録的な売り上げ増で、まさに様様なのだ。DVDも発売されており、MOOでは売り切れ、宿泊したプリンスホテルでは一日で50枚売れたというから大変な経済効果を釧路にもたらしている。
MOOに限らず、くーちゃんの登場は暗い話題の多い釧路に活力を与えている。釧路観光は通過型であり、市内滞在客が少ないのが悩みの種であったが、これで増えるであろうか。
釧路市には旭山動物園ほどメジャーではないが、雄メスを取り違えたホッキョクグマのツヨシやアムールトラ、北海道固有の動物を集めたゾーンなどなかなか個性的な動物園がある。また、場所は離れているが、丹頂鶴自然公園も動物園の一部施設である。今後、展開によっては釧路市動物園が大きくブレークする可能性がある。くーちゃん、丹頂鶴など個性的な野生動物が集まる釧路市。
言うまでもなく、動物ものはメディアが飛びつくので、瞬く間に全国区になる。これまで観光集客や中心街の衰退で苦戦していた釧路市だが、動物一匹がきっかけで、起爆剤となるかもしれない。反面、人間の知恵をあざ笑うかのように簡単に人を集めてしまうくーちゃん現象に、一抹の虚しさもかんじるが。
この日の幣舞からの夕陽を見事だった。驚いたことに厳寒の中、20人以上の人が落陽を撮っている。こんなことは夏でも滅多にないことである。ちょっと嬉しい光景だった。
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