道は22日の定例道議会で、道が独自で設けたアウトドアガイドの資格認定制度の見直しに向け、有識者による検討組織を設ける方針を示した。2002年度から導入したが、取得者や資格更新者数が低迷しているため。6月中にも道内のアウトドア事業者や旅行会社、大学の有識者らで構成する検討会を開く。(6/23付 日経新聞北海道版)
アウトドア資格認定制度は、山岳、自然体験、カヌー、ラフティング、乗馬の5分野の資格から成り立っている。ちょうど知床の世界遺産登録・エコツーリズム・体験型観光などの追い風もあり、堀知事の時代に提唱された制度だ。
この制度、初年度は189人が取得2008年度は36人、更新は2年毎だが2008年の対象者は75%に留まっており、有資格者は372人と道内ガイドの3割程度という。
当初、事業者の質を明らかにさせ、制度の目的を①利用者の利益の増進②アウトドア産業の健全育成③北海道の自然環境の保全-この3点に置いた。さらに認定を得なければ経営できなくなるというものではなく、排他的なものとしないと謳っている。
しかし、実際のところ資格が無くてもガイド業が出来る。授業料が16000円と高額である。資格内容(想定レベル)が杓子化され過ぎている。資格を優遇する具体策はいまだにはっきりしないなど課題も多く、受験者の減少にともない運営が厳しくなっていた。
低迷の最大の原因は有資格者への優遇策が明確でないのが大きいのではないか。高額な授業料を払い、2年毎に更新をしなければならない。
本来、アウトドアは自由な印象をもつもので 道が資格を推奨して高額な授業料をとっているというのは どうも納得がいかない。資格があると云って、仕事がまわってきたり、給料が上がる訳ではない。当初、アウトドア認定制度は、特定地域での有資格者のガイドを義務付けや、旅行商品に有資格者を優先的に登用させるなど検討されていたようだが、その発想自体、少しおかしいような気がする。
一時期、道は宿泊施設の格付けを考えていたが、それと相通ずるものがあり、アウトドア資格に関しては、何らかのガイドライン作成(安全対策・装備・人員など)は必要だが、優先的に仕事を回すような発想は行政がするべきものではないと思う。
アウトドアは自由な発想で生まれてきたスポーツである。もっと大らかなものであってもいいのではないか。むしろ、旅行会社に安値で叩かれても競合が多いため、提供せざるを得ないような釧路川のカヌー下りのように、アウトドア観光にはもっと現実的な問題が存在することを有識者会議では討議すべきである。
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