23日早朝にジャンプ種目最後の団体ラージヒルが行なわれた。結果は5位。今の日本チームの実力からみれば順当な結果であったかもしれない。詳しい評論は明日の朝刊に書かれるので省くが、ジャンプファンの管理人からみて4選手とも現状の力を出し切ったのではないか。
今回の人選、いろいろな意見があるであろう。昨年狂い咲いたとは云え今季不調の岡部をなぜ入れたか。栃本、竹内にしても評価は難しいところだ。管理人も海外で実績がある湯本や今季好調で一発が期待できる東輝を入れても面白いと思ったが、多分結果は同じであったであろう。次のソチへ向けて栃本、竹内には貴重な経験を積ませることができたはずだし、次期エースにならなければならない伊東大貴への期待も大きい。
葛西紀明はよくやった。6回出場といっても、五輪では実績が残せなかったため、日本人選手では海外でNo.1の実績があるにも関わらず、今ひとつメジャーに成り切れなかった。今回は日本のエースとしてメディアでも大きく取り上げらて嬉しかった。ひとつ心配だったのは、インタビューでメダル、メダルと己を鼓舞するように連発していたことだ。
これまでの葛西を見ていると意外にプレッシャーに弱い。マスコミへのリップサービスは旺盛であったが、思わず失敗ジャンプをする前の原田を思い出してしまった。バンクーバーを集大成にしようという意気込みが伝わってきた。
今日の2回目は世界クラスのジャンプであった。残念ながら今の日本で高い確率でW杯の表彰台に上がれるのは葛西しかいない。最後にいいジャンプをした。
葛西自身もインタビューで、「悔しさより、やり切った気持ち。今までの中でも満足できるジャンプが五輪でできた」と答えている。
また、団体メンバーから外れた岡部について、「気持ちは痛いほど分かる。すごく悔しかったと思う。『タカ兄さんの分まで』と思って」。気持ちが伝わってくる。
今後については。 「この年齢で世界のトップレベルと戦える。やめるわけにはいかない。アマンをぎゃふんと言わせたい」。
言ってくれるではないか。次のソチは41才。世界選手権ならば39才だ。岡崎朋美と違って実力でもまだまだ行けるのではないか。
葛西は高校生の頃から天才ジャンパーと騒がれW杯に出場していた。V字飛行になる前のクラシカル飛行の時代からトップにいたのだからその凄さには驚かされる。長い選手生活の中でも今回の五輪は満足いくものであったであろう。
これまで所属チームの度重なる廃部リストラ(地崎工業-マイカル-土屋ホーム)や家族のことなどがあってかどこか翳りがかんじられる選手であった。しかし、今回のバンクーバーでそれも払拭された気がした。
まずは葛西選手、お疲れ様でした。次を期待しております。
【参考】葛西紀明オフィシャルブログ「神風ジャンパーの挑戦」
コメントを書く
コメントを投稿するにはログインしてください。