懲りない東横イン、「天災時の損害賠償請求放棄」誓約書、宿泊者に義務付ける

懲りない東横イン、「天災時の損害賠償請求放棄」誓約書、宿泊者に義務付ける

大手ビジネスホテルチェーン「東横イン」(東京都大田区)が東日本巨大地震の発生直後から被災地の岩手、宮城、福島、茨城県のホテルで宿泊客に対し、天災時の損害賠償請求を放棄することを求めた誓約書へのサインを義務づけていることがわかった。(3/19付 報知新聞

東横イン広報部によると、震災翌日の12日から「天災による宿泊時の被害、損害等の自己責任について」と題したA4判の文書を配布。文書に署名することをちゅうちょした宿泊者や、署名をしなかったためホテルが宿泊を断ったケースもあった。同広報部は「地震で受けたけがなどへの賠償を免れる意味ではない」と説明。消費者庁は「消費者契約法に抵触する可能性はある」としている。

この3連休は関西方面のホテルは満室だったと云う。一時的に避難をする人や本社機能を大阪に移動させた外資系企業が長期で予約を入れているらしい。実際、管理人が使う品川駅の東海道新幹線乗り場は先週から多くの人でごった返していた。普段見かけるカバンひとつのビジネスマンよりも、海外旅行にでも行くような大きなスーツケースを持った人たちが目立ったが、これは「疎開組」と見た。

また、被災地からもビジネスホテルなどに一時避難している人もかなりいるのではないかと思われる。今回、東横インは被災地である岩手、宮城、福島、茨城県の宿泊客に対し、天災時の損害賠償請求を放棄することを求めた誓約書へのサインの義務付けはあまりのご都合主義である。

同広報部は、エレベーター停止や断水を想定した誓約書で、建物倒壊や備品落下によるけがなどへの賠償を免れる意味ではないとしているが、同社の誓約書文面には、「天災による被害、損害を被っても自己責任であり、貴ホテルに対して損害賠償請求を行うことは一切ありません」と記されている。

「損害を被っても自己責任」の項はサービス業を生業としている者が言ってはならないセリフだ。管理人は先日、地震の影響で特急に長時間閉じ込められ、途中下車を車掌に申込むと「自己責任」と云われたが、言う側からしてみれば、都合がよい言葉であり、拡大解釈でこのフレーズが浸透してしまった。

あらためて東横インの正体をみたかんじだ(最近の東横インに関する記事はこちら)。なお、東横インの公式サイトを見ても今回の件に関する報告は載っていない。

 

「じゃらん」を見ていると、札幌のホテルでは被災者向けのプランがあった。「JRイン札幌」では、東北6県と茨城の住民を対象に1泊シングル3千円、セミダブル5千円で提供するプランを実施している。今後、こういったプランは全国に広がっていくであろう。

被災者には狭い避難所ではなく、温かく、清潔な個室で休ませてあげたい。東北に多くのホテルがある東横インには、客室をいくつか無料で提供するぐらいの度量があってもいいのではないか。

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