札幌市内都市ホテル、3月稼働率は50%割れ、シティホテルは特徴を出さないと生き残れない

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札幌市内の主要18ホテルの3月の平均宿泊稼働率は47.4%と前年同月と比べて15.5ポイント低下した。稼働率50%割れはリーマン・ショックを受けた2009年4月以降。東日本大震災の影響で宿泊キャンセルが相次いだことが響いた。一方、ビジネスホテルとの価格競争激化で、客室単価の下落傾向が続く。外国人観光客の増加で回復基調にあった都市ホテルだが、一転して厳しい経営環境となった。(4/6付 日経新聞北海道版)

管理人は3/25から4/5まで札幌市内のホテル5ヶ所に延べ10泊した。

各ホテルの料金は以下の通りだ。

3/25・3/26「ホテルライフォート札幌」5,500円(朝食付シングル)、3/27・3/28「札幌パークホテル」5,400円(朝食別スーペリアルシングル)、4/1「ホテル京阪札幌」(朝食付シングル)5,200円、4/2.4/3「ホテル法華クラブ札幌」5,500円~5,700円(朝食付シングル)、4/4・4/5「札幌全日空ホテル」6,500円~7500円(朝食付DXツイン)。

このうちパークホテルと全日空ホテルは都市ホテル、京阪と法華は宿泊特化型のビジネス、ライフォートは公共の宿である。値段を見ていただければわかるが殆ど差はない。全日空だけ少し高めだが、これは最上階客室で応接セットが2組、洗面所も2ヶ所あるような43平米の客室である。DXツインと名乗っているが、他のホテルであれば「スイート」と云ってもよい客室であり、これが朝食付きで6,500円というのは考えられない。

3-4月は例年でももっとと稼働率が低い時期であるが、外国人観光客は100%のキャンセルであり、国内客も旅行を控えたため、札幌から人が消え、ホテルは閑散化した。特に外国人依存が高い都市ホテルはダメージを被った。そのため、上記のような破格の料金となっている。閑散期でも週末はそこそこ入る札幌であるが、今回に限ってはそれが通用しなかった。

ホテルオークラ札幌」でさえも、連泊をすれば1泊5,500円という考えられない料金で出ていた。オークラクラスになると清掃やリネン代を引くと採算割れに近い状態と云う。

今回、5ヶ所のホテルに泊まって思ったことは都市(シティ)もビジネスも客室の快適さに関しては変わりばいしないことである。実用性に関してはビジネスの方が上を行っている。たとえば、大浴場、空気清浄機の設置やコンセントの数の多さ、消臭スプレー、客室内の無料コーヒーなどではビジネスに軍配が上がる。また、老舗といわれている都市ホテルは老朽化が目立つところが多い。

都市ホテルはホスピタリティ、食事や快適さ(非日常性)がウリのはずであるが、どこもレベルが低下している気がする。特にホスピタリティに関して云えば、価格低下と共に同時に下がっている。これまで宿泊特化型全国チェーン系のビジネスホテルはスタッフの応対に難があったが、今回宿泊をしたホテル京阪と法華クラブに関しては、シティホテルと変わらないかそれ以上のところもある(勿論それを知っていたので宿泊をしたが)。

最近のビジネスホテルは客室の広さが20-30平米のものも少なくない。都市ホテルとビジネスホテルの境界が曖昧となり、違いをどうやって出して行くのか難しいところだ。

4月1日からは、「札幌後楽園ホテル」が「東京ドームホテル札幌」に、「ニューオータニ札幌」が「ニューオタニイン札幌」にリブランドをした。どちらも老舗ではあるが、都市ホテルとしての魅力は乏しかった。どこで訴求点を見出して行くのか?

当面、外国人は見込めず、宴会なども自粛傾向が続くであろう。観光や出張も回復には時間がかかりそうなので、都市、ビジネスホテル共々苦しい時期が続くかもしれない。

管理人は被災者の受入れを積極的にすべきであると、先日の拙ブログで書いたが、遠いせいか被災者側からの反応があまりないようだ。

もともとインバウンドに依存する発想自体に他力本願の脆さをかんじていた。中国などアジアからの格安観光客受入れは、その対象が日本人から海外に変わっただけであって、北海道観光の質そのものが変わるとは思えなかったからだ。

外国人も日本人もいなくなった今、今後の展開・戦略を見直す時期と考えて、立て直しに期待したい。

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