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スカイマークが札幌・東京線に参入する意味

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来春からスカイマークエアラインズが世界一の旅客数を誇る新千歳-羽田線へ参入することになりました。現在のJAL,ANA,エア・ドゥに加え4社体制になることで競争が激化しそうです。
スカイマークエアラインズ(以下スカイマーク)は航空業界の規制緩和により、格安旅行会社のエイチ・アイ・エスの澤田秀雄氏らの出資により1996年に設立されました。
1998年9月から羽田-福岡線を就航、同時期に産声をあげたエア・ドゥ(北海道国際航空)とともに35年ぶりに航空業界に新規参入した会社として知られています。
現在は路線を拡大し、羽田-福岡線のほか羽田と鹿児島、関西、徳島を結ぶ4路線を運航しています。
来春から新千歳線への参入を発表したスカイマークですが、北海道への乗り入れは今回がはじめてではありません。1999年4月には伊丹-新千歳線を就航させていますが、2000年の6月には業績不振により、早々と撤退をしています。伊丹-新千歳線に限らず、新規路線の就航と撤退を繰り返しているのが
スカイマークの特長ともいえます。下記はスカイマークの路線沿革です。
路線の沿革 
1998年9月19日 – 羽田~福岡線就航
1999年4月24日 – 伊丹~福岡、伊丹~千歳線就航 (2000年6月廃止)
2000年5月31日 – 東証マザーズ上場
2000年9月 – ANAに委託していた航空機の整備を自社で行うようになる
2002年4月18日 – 羽田~鹿児島線就航
2003年4月25日 – 羽田~徳島線
2003年4月25日 -羽田~青森線就航 (青森線は2003年11月廃止)
2005年3月 – 羽田~関西線就航
2005年4月 – 日本航空ジャパンとのコードシェア便運行を開始(羽田-関西)
2005年7月1日 – 羽田~沖縄(那覇)に深夜便を運航(2005年9月まで)
2005年10月12日 – 羽田~新千歳線に2006年4月に参入すると発表。
同時に羽田~関西空港、羽田~徳島線、及び羽田~鹿児島間を廃止決定
*『ウィキペディア(Wikipedia)』参照
上記、路線の沿革をみていただければおわかりだと思いますが、早いものでは羽田-青森線のように数ヶ月で廃止した路線もあります。また、来春の新千歳線就航と同時期に羽田~関西空港、羽田~徳島線、及び羽田~鹿児島間を全便廃止決定することを発表しており、ベンチャー系企業ならではのフットワークのよさが伺えます。
勿論、こうした”変わり身”の早さに批判の声もあり、利益重視のために就航と撤退を繰り返す体質に対し、鹿児島県知事などから”絶縁宣言”なども飛び出しています。
スカイマークの羽田-新千歳線の就航発表は、羽田の発着枠が広がる2009年からの参入を、関係者は予想していたようなので、今回のタイミングには驚いたようです。
スカイマーク側は今年に入り、エア・ドゥに対し経営統合の話を持ちかけています。エア・ドゥ側はこれを拒否しましたが、このあたりが今回の参入につながっていると思われます。
そのエア・ドゥですが、現在、新千歳―羽田の普通運賃が片道2万3千円と既存3社で最も安い金額を打ち出しています。しかし、1998年の就航当初は今より安い価格破壊に近いような運賃を打ち出しましたが、当時の大手3社による割引運賃の導入で価格優位性が薄れたうえ、初期投資や日本航空に支払っていた整備委託費などが経営を圧迫しました。
まもなく経営破たんに陥いり、その後、迷走を続けた経緯については皆さんよくご存知かと思うので説明は省かしていただきます。
現在は民事再生計画中であり、全日本が整備、販売システム提供を支援しています。すべての便をANAとの共同運航(コードシェア)便にすることで一定の座席販売を肩代わりしてもらい搭乗率アップを図っています。
路線も暫くの間は羽田-新千歳の一区間のみでしたが、最近では羽田-旭川、羽田-函館を就航、2006年に2月からは羽田-女満別線の開設を予定しており「道民の翼」のキャッチフレーズ通り、路線拡大をしています。しかしながら経営形態が当初の理念とはだいぶ違った形になってしまい失望している道民も多いと思われます。
スカイマークとエア・ドゥは同時期に誕生、互いにベンチャー系企業でありましたが、その後、歩んできた道は異なりました。数々の「規制」のなかで苦戦していることは共通であり、その後誕生した新規航空会社も同じような「試練」を味わっています。
今回、スカイマークは普通運賃18,000円という破格値を打ち出しています。既存の3社にとっては大変脅威の金額です。また、運賃だけではなく、一日10~11往復を予定しているのも日本航空と全日空の大手2社へ影響を与えそうです。
しかし、就航までにはクリアすべき問題があります。まず、新千歳空港の発着枠の問題があり、フリークエンシーなサービスが提供できるのか、また、空港内のカウンターも新たに設置するのか、借りるのかも問題になっています。
スカイマークでは来春から就航を予定していた羽田-北九州線が空港カウンターなどがスターフライヤーとJALを前提にターミナルの設備設置を進めているために設置が難しくなり、就航を断念するのではないかといわれています。
また、羽田-新千歳線は利用者が伸び悩んでおり、02年の年間利用者986万人をピークに、04年は951万人にまで減っており、決してドル箱とはいえなくなってきています。
日本では羽田空港の発着枠を獲得することがかなり経営に左右するといわれています。エア・ドゥにしても道内-羽田線に集中しており、羽田以外に道外へフライトしたことはありません。JALとANAがそのほとんどを保有している現状では、新規参入がかなり難しい現状をいろいろな点から指摘されております。
就航と撤退を頻繁に繰り返すスカイマークの経営戦略そのものに不信感をもつ声があるのも事実ですが、もっと開かれた空にしないと新規航空会社が育たないのも事実です。
フェアで、安全な空を期待しています。
*追記
その後、スカイマークの新運賃は18,000円ではなく、16,000円になりそうであると朝日新聞に掲載されていました。まだ、正式な発表はされてはいません。

11/1、正式に運賃の発表がありました。驚きの16,000円です。
■関連資料
スカイマークエアラインズ http://www.skymark.co.jp/

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