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廃線跡や鉄路を再利用した観光活性について               

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4月,ちほく高原鉄道(ふるさと銀河線・北見-池田)が廃止されます。
これから学校が休みに入るとラストランを体験しようと多くのファンが訪れことでしょう。北海道では深名線(1995年9月廃止・深川-名寄)以来の鉄路廃止であり、今後これだけの長大線の廃止は暫くないと思われので大いに盛り上がりそうです。
そのふるさと銀河線の一部が動態保存されることになりました。
動態保存区間は、陸別駅~川上駅までの9.8キロで、観光用として残し、銀河線用車両、SLやトロッコ列車のどれかの使用を視野にいれているようです。
約10キロにも及ぶ動態保存の例は全国的にも珍しく、本格的な観光鉄道としての期待がもてます。
運営会社は、陸別町商工会有志が設立する有限会社「銀河の森」となり鉄道敷地・施設は陸別町が取得・所有するようです。
陸別町は、街づくりに熱心な地域で、寒さを売り物とした「しばれの町」としてPRをしています。駅舎に隣接した町営の宿や天文台などをつくり、鉄道利用を促進しています。
また、首都圏からの陸別体験ツアーを自由旅行型で毎日催行しており、人口3千人の小町が独自のツアーをレギュラーで実施しているのは他にないと思われます。ツアーに参加をすると陸別の特産品プレゼントや、町内商品券が付いてくる超・地域密着型のツアーです。
廃線跡や鉄路を活用した観光活性は、これまでのいくつか計画されました。
道北・美深町の美幸線(美深-仁字布)は、国鉄時代日本一の赤字線として知られ、廃止後は動態保存される予定でした。実現には至りませんでしたが、線路の一部約5キロが「トロッコ王国」として自走式トロッコで楽しむことができます。
また、「愛の国から幸福へ」へ一大ブームを呼んだ広尾線(帯広-広尾)は、ドイツの古城をイメージしたグリュック王国(現在は休園中)建設の際、愛国-幸福間や帯広空港を結んでテーマパークの目玉にしようと玩具で有名な大物俳優などが中心となり動いた時期がありましたが、自然消滅をしてしまいました。
その他、小樽の手宮線跡(小樽築港-手宮)は、廃止直後から市民団体が保存に動き、観光鉄道や生活路線としての再生に望みを繋ぎ、北海道鉄道発祥の地である交通記念館までの線路跡がきれいに管理されています。
現況では鉄道復活は難しいと思われますが、線路跡はイベントなどで有効活用されており、市民の愛着が伺い知れます。
前回の当欄で釧路コールマインの石炭専用鉄道である釧路臨海鉄道の観光活用について少し触れました。先日、釧路へ行った折、関係者にその可能性について伺ってきました。
まず、海底坑内を走る炭鉱体験型トロッコ列車は、安全面をクリアしない限り、かなり難しいようです。坑内は想像以上に危険で、ライター一個でも持ち込み厳禁なので、現状ではかなり命懸けの体験鉄道になります。 
地上を走る臨海鉄道に関しては、30年前までは釧路・入船町から春採まで旅客営業をしており、法律面さえクリアすれば十分可能ではないでしょうか?
機関車がトロッコを牽引するようなかたちで海岸線を走り、車内から選炭作業などが見学できるので産業体験型観光として魅力です。
鉄道廃線跡や線路の再利用は、実現に至るまでに大きな難問があります。費用、保存状態、安全対策、収入、集客、などモデル例が少ないだけに周囲の理解が必要です。
できれば今回のふるさと銀河線、陸別町のケースのように廃止前の段階からプランニングを立てないと実現性が乏しくなるでしょうし、何といっても地域の盛り上がりが大切です。

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