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弱肉強食 量販店の世界に似てきたホテル業界 -アパホテルがススキノグリーンホテルを買収

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不動産賃貸、ホテル経営の北海道振興(札幌)は、札幌・ススキノ地区で運営する「ススキノグリーンホテル」3館を、マンション・ホテル開発大手のアパグループ(東京)に売却する方針を決めた。複数の関係者が2日、明らかにした。北海道振興はホテル事業から完全撤退し、ススキノ地区の飲食店向けテナントビル9館の賃貸、管理に特化することで、経営効率の改善を目指す。 (10/3付道新)

ススキノグリーンホテルと聞いて道外の人は馴染みがないであろうが、道内、特に出張族の方には親近感のあるホテルではなかったか。ススキノのど真ん中に立地し、飲んでも安心して帰ることができる。客室のユニットバスには洗い場があり、大浴場付のホテルが普及する前は人気があったものだ。

最近は3軒のグリーンホテル周辺に新しいホテルも増えた。ホテル1の並びには今夏、ダイワロイネットホテルが開業し、東横インやメルキュールホテルなどに挟み撃ちされている。以前はビジネスとしてはそこそこの値段を取っていたが今では3千円台で泊まることができる。

運営する北海道振興はグリーンビルで有名なススキノの老舗企業。一時は道内各地にエコノミー感覚のリゾートホテルを展開していた。緑館のブランドで江差・五厘沢温泉、奥尻・湯の浜温泉、北湯沢温泉、ニセコワイス温泉、サロマ湖、幕別温泉そして札幌では3館のほか、南区で東京以北最大の客数を誇るというグリーンホテル札幌もあった。

しかし、不動産投資の失敗もあり、次々にホテルを手放し、現在はススキノの飲食店ビルと3館のホテルのみとなっていた。業界は違うが、「エンペラー」をはじめススキノで多くの飲食店を経営していた青木商事とイメージがダブる。

アパホテルは現在札幌市内で4軒のホテルを運営しているが既存の施設を買収したものである。南区のアパリゾートも元はグリーンホテル札幌であり、市内第一号となったアパホテルは元「不二ホテル」といって大和証券系で、管理人の知人が社長をやっていた。市内では東横インやルートインに匹敵する数だが、新築が少なく、買収が多いのがアパの特徴かもしれない。

新たに3館が加わると札幌市内には7つのアパが誕生する。チェーンホテルの中でも群を抜いた数字である。古い建物も多いが、それがアパのやり方であろう。道内には札幌以外にはホテルがなく、パートナーホテルとして「函館ホテル駅前」と「旭川サンホテル」が加盟している。ビジネスホテル激戦区で助けを求めたのであろうか。

全国のホテルは宿泊特化型チェーンの進出が続く。かつてビジネスホテルの定番であった東急インやワシントンでさえも閉館や売却が進み、数を減らしている。東横インやルートイン、スーパーホテル、ドーミーイン、旅籠屋など差別化を図りながらも全国に侵食を続けている。

最近では宿泊特化型チェーンの中でも過当競争に勝てず撤退する企業も増え、大手数社による寡占に近い市場が形成されてきた。地場ホテルは消え、都市型ホテルの力は衰え、大手数社の物量攻勢でホテル個人経営の旅館ビジネスは難しくなって来ている。これは都市部に限ったことではなく、温泉地などの観光旅館でも格安が売り物の大手チェーンの買収が進み、地元は価格サービス競争に曝されている。

大手宿泊特化型チェーンを大型量販店に例えれば、地域チェーンホテルは地域量販店、都市型ホテルは百貨店、個人経営の旅館ホテルは一般小売店の関係と同じではないか。ヤマダ電機社長が今後生き残れる家電量販店は4社程度と言っていたが、ホテルチェーンも同じ道を歩みそうな気がする。

 

売却されるススキノグリーンホテルは前述したように一定の顧客に支持されていた。しかし、アパに変わればどうなるであろう。屋上にあの女社長の顔入りの看板が建つのか?それはお笑いにしてもアパは政治的な言動が多いことも気になる(自衛隊が顧客?)。最大手チェーンの元社長も数々の問題をおこしたが宿泊特化型チェーンはオーナー社長が大半なので良い悪いにつけ経営者の色が前面に出てしまい、それがホテルスタッフに影響しなければよいが。政治宗教の信条は自由だがサービス業はそれを表に出すと命取りになる。

管理人は宿泊特化型チェーンを否定するつもりはない。素晴らしい客室、充実した朝食、気持ちがよい従業員を揃えたホテルチェーンもある。選択するのは利用者。しかし、管理人は設備面など多少目をつぶっても地場ホテルを今後も応援して行きたい。

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