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道南と道東方面をダイレクトに結ぶ都市間バスの運行を

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2016年3月に予定される北海道新幹線新函館(仮称)―新青森間の開業を見据え、北海道エアシステム(HAC)の函館―女満別・釧路線再開の可能性を探るモニターツアーの一行が26、27日、網走市内の観光施設を視察した。(1/28付 道新(goo news))

HACの函館と道東を結ぶ空路が休止されて久しい。かつては女満別・釧路以外にも旭川やエアトランセを引き継ぐかたちで帯広便が就航していたが、親会社JALの経営危機により、休止に追い込まれている。管理人も釧路便を利用したことがあるが、JRを利用すれば途中、南千歳の乗換え時間を含まなくても6時間以上、実際は接続を取っていないのでとてつもなく時間がかかり、不便を強いられていた。

HACの再開については各自治体から要望が出ているが、JALの再建がひと息ついたようで、JAL本体の休止になっていた路線の再開は先日発表されている。釧路新聞のインタビューで、HACの田村社長は運航再開が期待される釧路―函館線について、機材繰りなどを理由に「今の状況では難しい」との認識を示している。ただ、2016年3月に函館まで延伸する計画の北海道新幹線について「開業で人の流れが変わる可能性がある。その際には、どこにどうとは決まっていないが、今の路線を見直す機会になる」と話している。

現実的には、「一部路線で再開を検討している」段階であり、現段階の可能性としてはチャーター便か季節運航ではなかろうか。

函館と札幌以外の道内を結ぶ航空路はビジネス需要を見込んで開設されたものであるが、当初の見込みほどの利用はなく、札幌への一極集中による道内地方都市間の移動機会の減少が旅客数にもはっきり顕れていた。一日1往復、30人乗りの機材が半分埋まるかどうかの利用率であり、旭川-釧路線などは2,3割程度であった。

しかしながら2年後には新幹線が函館まで延伸をし、ふたたび函館が北海道の玄関口としての機能を高めることになる。関東や東北方面からの新幹線利用者で、函館からさらに道内各地へ移動する利用者の多くは観光客であり、外国人もかなりの割合にのぼるであろう。函館(道南)は中華系やタイ人観光客に人気があるが、同様に人気があるのが道東方面である。これまで道南と道東は距離があり過ぎて一回のツアーで周ることはあまりなかったが、今後は函館からいっきに道東へ向かう観光客も増えるであろう。周遊パターンが変わることが予想される。

その場合、最大のネックはアクセスである。たとえば函館-阿寒湖間は600キロあり、レンタカーでノンストップで行っても8時間以上はかかる。北海道旅行の初心者はその広大さがわからず、無理な移動日程を組んでしまいがちであるが、道南と道東をダイレクトにつなぐ公共交通機関があると便利である。需要を不安視する向きもあるであろうが、これまで道内客が中心であったものとは利用層とは大きく異なり、市場は大きく広がるはずである。

HACのようなコミューター便の定期運行が難しければ都市間バスということになる。現在、函館発着の都市間バスは札幌線のみである(かつて登別・洞爺湖を結ぶ観光路線もあったが廃止されている)。札幌線はドル箱であり、現在はダブルトラック(高速はこだて号とニュースター号)であるが、JRの不祥事により、今後ますますの鉄道離れが予想される。もともと函館から道東、旭川方面は乗換えが必要であり、連絡も悪かったのでそれなりの需要が存在していたのではないか。

函館からの所要だが、帯広は438キロで6時間5分、釧路が565キロで8時間15分、旭川が437キロで5時間32分、北見が608キロで8時間12分である(北の道ナビで検索)。釧路や北見は8時間を越えてしまうが、帯広や旭川あたりはJRと殆ど変わらず、乗換えがないので利便性も高い。さらに新幹線が開通する頃には高速道路もさらに延伸しており、帯広・釧路方面もJR移動からバス移動が主流になるのではないか。

道南と道東がダイレクトに結ばれれば、これまでどちらかしか行っていなかった観光客を両者で呼び込むことが出来る。札幌をスルーすることで新たな経済効果も生まれるであろう。まずは道南と道東方面をダイレクトに結ぶ都市間バスの運行に期待をしたい。

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