*

観光客がいなくなった北海道で思ったこと

東日本大震災で道内の貸し切りバス業者が大打撃を受け、事業からの撤退や従業員の解雇に追い込まれている。とりわけ、福島第1原発事故で外国人利用客が激減し、国内旅行もキャンセルが続出。燃料価格高騰も追い打ちをかけ、業界には「観光バス事業が成り立たなくなる」との危機感も強まっている。 (4/4付 道新)

画像 514 

観光客が消えた時計台 4/3(日)撮影

管理人は3月26日から北海道に来ている。前回、震災のため函館で足止めを喰らい札幌には来れず帰京したが、今回は約10日の滞在となり、札幌をベースに道北方面などに取材で行ってきた。

まず、こちらへ来て驚いたのは観光客が全くいないことだ。ある程度予想はしていたが、千歳空港近くの複数のレンタカー会社が入る大きな営業所へ行くと人の姿がない。「駅レンタカー」の担当者は「外国人は100%キャンセル。日本人も半分以上キャンセルで今日初めてのお客様ですよ」と言われた。

実際、札幌市街へ行ってみても全く観光客らしい姿が3月末の週末にはいなかった。4月に入った週末は若干いたが、普段は頻繁に見かける観光貸切バスが極端に少ない。北海道中央バスの定期観光バスも「臨時運休」となっていた。

道新記事によると、観光貸切のキングハイヤー(函館市)は、4月末で観光貸切バス事業部を閉鎖する。主力だった本州からの観光客が減り、予約の8割が取り消された。バス11台は売却し、本業のタクシーに集中する。 エクセルバス(北広島市)は震災前に、28台あるバスを4月から15台に減らすことを決めていたが、震災で「さらに減車する可能性もある」という。

撤退や減車の背景には、2000年の貸し切りバス事業への参入規制緩和に伴う過当競争や、燃料価格の高騰もあるが、道バス協会(札幌)によると、昨年11月末の道内の貸し切りバス業者は268社で、総台数は2844台。大半が中小業者である。

過剰する貸切バスに震災が追い討ちをかけている。

バスだけではなく、宿泊業も大変な状態だ。札幌市内のホテルはどこも恐ろしいほどに空いていた。もともと一年の中でも閑散時期であるが、週末も閑散としていた。温泉地のホテルでは一時休業が相次いでいる。

鶴雅グループの「阿寒の森・鶴雅リゾート花ゆう香」や「サロマ湖鶴雅リゾート」は27日まで休業することを決めている。鶴雅のHPを見るとメンテナンスのためと書いてあるが、正直に言ってもいいのではないか。この他にも大型ホテルの休業は登別や洞爺湖でもあるようだ。

インバウンドは「水もの」であると、管理人は以前から述べてきたが、まさか国内の災害(外国人が来ないのはT電による人災である)により、人が来なくなったのは皮肉である。暫く苦しい時期が続くであろうが、宿泊業者の方には被災者を積極的に受け入れてもらいたいと思う。

道では宿泊施設の借り上げを決めており、1泊に付き5千円分が支給される。既に、「アルファリゾートトマム」で3000人を受け入れや、温根湯温泉では緊急支援プロジェクトとして150室の提供が決まっている。

5千円という金額、大手旅行会社のツアー客を取るよりも条件はいいはずであり、何よりも社会貢献になる。また、被災者の方が故郷に戻られ、落ち着いた頃にふたたび訪ねてくれるかもしれない。公営住宅の受入れもよいが、温泉宿泊施設での一時滞在は被災者、宿側どちらにとっても一息つけるのではないであろうか。

 - すべての記事一覧, 観光(北海道全般)