JTB北海道発行の「北海道時刻表」が、3月25日発売の4月号を最後に休刊することになった。「北海道時刻表」の創刊は1944年頃と古く、横長のデザインが戦前の時刻表のようで、なかなか味わいがあった。部数は公称3万部だが最近は落ちていたようだ。
北海道は「時刻表天国」でこの他にも「道内時刻表」(交通新聞社)、2004年までは「北海道ダイヤ時刻表」(JR北海道エージェンシー)があり、暫く3誌体制が続いてた。
道内のきっぷ売り場には、JR発足前までは「JTB北海道時刻表」、JR化後は「北海道ダイヤ」が置いてあった。しかし、「北海道ダイヤ」と「道内時刻表」は、共にJR資本の会社が発売しているので、そのあたり整理する意味もあったのか「北海道ダイヤ」は廃刊となっている。「道内時刻表」と「北海道ダイヤ」はサイズも同じで、興味がない人は区別がつかなかったであろう。
道内に多くの鉄路や路線バス網もあった公共交通全盛の時代は、紙面もダイヤでぎっしりであったが、現在では「隙間」を埋めるのにかなり苦労しているような編集だ。以前は多かったホテル・旅館の広告も激減している(これは大型時刻表にもいえることだが)。
先日、九州で地元の時刻表を探したが、交通新聞社の1冊のみであり(西鉄は除く)、いかに北海道が時刻表天国であったか伺える。それだけ北海道は需要があり、公共交通を利用して旅する人が多かった頃の名残であろう。小型サイズの時刻表にはワイド周遊券の旅が似合う。
管理人の本棚には1974年頃からの北海道時刻表が処分しないで何十冊とある。いちばん多いのは「北海道ダイヤ」、次が「「JTB北海道」、「道内時刻表」の順なので売り上げと逆行していたかもしれない。これは東京でも買える「道内時刻表」ではなく、道内発売限定の「JTB」と「ダイヤ」を意識的に選んでいた結果であろう。特にJTB版は紙面がワイドで、ダイヤが見やすく、実用的であった。
公共交通の数が減り、時刻表を片手に旅をする人も減っている。単純なルート検索やダイヤ情報は、PCや携帯のナビサービスでできてしまうが、経路案内ナビは、多面階層的な組み立てをする周遊旅行や遊びごころを加えることができないので、北海道の旅の友は今でも時刻表である。
最後に残った「道内時刻表」には頑張ってもらいたい。
1968年7月の道内交通地図。国鉄ローカル線の多さもさることながら寿都鉄道、定山渓鉄道、雄別鉄道、羽幌炭鉱鉄道などの私鉄も健在。路線バスのネットワークもすごい
「JTB北海道時刻表」は、何となく業務用、という印象です。実際、私が以前勤めていたバス会社でもJTBのもの(「公社版」と言う方もいる)を使ってました。スッキリしていて、見やすかった。
だだ、(道内の話となりますが)JRのものは函館本線と千歳線直通のページが設けられていたので、個人的にはJRのものを使ってました。
時刻表は、書店とキヨスクで、どちらの方が販売が多いのかは解りませんが、JTBの時刻表はキヨスクでは、最近お目にかかった事がない。そんな訳で、販売に苦戦されていたのかもしれません。
ところでJTBの道内の時刻表とくれば、支店やトラベランドでお持ち帰り自由の、B4判の「航空時刻表」。
これは抜群に使いやすいですね。
たしかに「JTB時刻表」は業務用という印象はありますね。旅行者があれを読んでいる姿はあまり見かけたことがありません(管理人くらいかな)。
また、なくなった「JR北海道ダイヤ」は車掌さんが携帯したいましたね。路線掲載については各社違いがあり、大型でもJTBとJR(交通新聞社)とではかなり変わります。このあたり北海道版でもそのまま踏襲しているようです。
航空時刻表の件は知りませんでした。最近、JTBでもスカイマークの時刻表を置いてくれているので助かります。
はじめまして。ちょいと失礼します。
交通公社の時刻表は、車掌さんが尻のポケットに二つ折りにしてちょうど入るサイズ。
国鉄監修と書いてあってもキオスクでの扱いはなし。自分の所では大きな書店に行かないとなかったです。
たぶんいま車掌さんは自社系列の物を持って歩っているのでしょうけど。休刊とは寂しいですけど、時代の流れですかね。
こんにちは。
時刻表の話題とは、鉄分が豊富ですね!
確か、交通新聞社のは元々は「弘済出版社」発行じゃなかったかな?
管理人様の言われるとおり、昔の北海道の時刻表は、ながめているだけでも面白かったし、路線地図は縦横無尽に線路が走っていましたね。先日、職場の2月号の道内時刻表を見たら、1970年頃から廃止になった路線の一覧表が出てました。桑園から札幌市場までも線路があったし、ヘーって感じで見てました。
私は、個人的にJRに限って言えば、ポケット時刻表を背広のポケット、職場のディスクの引き出しに年中入れてあります。
▲さんへ
はじめまして。コメントありがとうございます。
北海道では古くから「道内時刻表」があり、発行元がキヨスク系の弘済出版(現・交通新聞社)であった関係で駅売店には置いていなかったのでしょう。
車掌さんが国鉄時代はJTB版を使い、民営化後は「ダイヤ情報」に、そのダイヤ情報が廃刊になり、今は「道内時刻表」を携帯、その変遷は面白いですね。JTBは以前「国鉄監修」と書いてあり、オフィシャルブックでした。
元夕張市民さん、いつもありがとうございます。
北海道版時刻表は3種類あったのでなかなか奥行き深いです。おっしゃる通り、交通新聞社は以前、弘済出版といっており、国鉄の関連会社。「道内時刻表」や全国版では「大時刻表」を出していました。今では交通新聞社版が当然、JRオフィシャルですが、国鉄時代はJTB版が「国鉄監修」というお墨付きでオフィシャルブックでした。
北海道で車掌さんが使っている時刻表も「交通公社版」→「ダイヤ情報」→「道内時刻表」と変化していると思います。
1970年代の道内鉄道地図を壮観ですね。この時代に旅をしたかったとつくづく思います。小学生の時、根北線が最初に廃止になり大騒ぎになりましたが、これから鉄路は消えてゆくのだと子供心ながら悲しかった記憶があります。