外資色からの脱却?古牧温泉「古牧グランドホテル」から「青森屋」に名称変更

外資色からの脱却?古牧温泉「古牧グランドホテル」から「青森屋」に名称変更

八戸からJR特急「スーパー白鳥」に乗り、三沢駅手前にさしかかると大きな城砦のような敷地があらわれ1キロぐらいは線路に沿って続く。

そこは、2004年に経営破たんをしてゴールドマン・サックス傘下で再建をすすめる古牧温泉「古牧グランドホテル」の巨大施設の一部であるが、2008年4月から「古牧温泉青森屋」に名称を変更することになった。
古牧温泉は第一グランドホテルから第五グランドホテルまである巨大温泉リゾートである。芦別の「北の京」や「五重の塔」はここを真似たのではないかと思ってしまうが、かつては業界紙や大手旅行会社のランキングで1位になっていた。管理人はなぜ古牧温泉が1位か首をひねったものだが、

これは利用者の目ではなく、プロの受けがいい(旅行会社に貢献している)ということだろう。

その後、経営拡大路線に転じて、バブル期の奥入瀬渓流温泉のホテル建設によって負債を抱え、経営努力にもかかわらず、2004年11月経営破綻。ゴールドマン・サックス主導で経営再建が行われることが決まった。
現在はアルファトマムなどを経営する星野リゾートが古牧温泉と奥入瀬渓流グランドホテルの運営受託をしている。

■星野リゾート 青森屋>>

名称変更には、全国の多くの老舗温泉ホテル・旅館が外資ファンドの傘下に入ったが、その代表格である古牧温泉とグランドホテルのイメージを少しでもよくして、外資色を薄める狙いもあるのであろう。
昨年、NHKの朝ドラで放映された「どんと晴れ」は、盛岡の老舗旅館が舞台であったが、クライマックスは外資ファンドに乗っ取られるかどうかのシーンであった。管理人はドラマを見ていて思わず古牧温泉を想像してしまった。最後は株を取り戻すが、温泉旅館=日本文化の象徴に対して外資ファンドは完全な悪役の構図であった。このあたりのイメージ戦略にも古牧は苦労をしているのであろう。あまり知られていないが、三八上北地方は湯量豊富でいい温泉が多い。東北本線に乗るとこのあたりの駅前には温泉銭湯も多い隠れた湯処だ。

▼リンクサイト「観光まるごと北海道」を運営するK氏から、古牧温泉創業者が2003年に列車にはねられ亡くなったことも破綻原因のひとつという情報をいただきました。ありがとうございます。

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