札幌市は26日、北海道日本ハムファイターズやコンサドーレ札幌の本拠地、札幌ドーム(札幌市豊平区)の命名権(ネーミングライツ)を売却することを決めた。年明けにも公募を始める。期間は来年4月から5年間。売却額は年5億円程度を想定しており、市は向こう約20年間で約200億円と試算される改修費に充てる方針だ。 (10/26付 朝日新聞北海道版)
来年は10周年を迎え、今後、暖房や給排水設備、屋根の防水や芝の張り替えなどの改修にかかる費用は約20年で200億円以上と見込まれている。この改修費を確保するため、命名権を売却することになったという。
売却額は、ヤフードーム(福岡市)の年間5億円とほぼ同額を想定し、期間も同じ5年とする意向だ。年内にも、選定委員会を設け、買い手としてふさわしい企業の基準を設定。来年早々に公募を始め、2月には売却先を決めたいとしている。
札幌ドームは10年3月期決算まで、ドーム開業以来9期連続で黒字を確保した。昨年度の総来場者数は過去最多の307万人を記録したが、本年度は、9月末現在で約192万人にとどまっている。
いよいよ「札幌ドーム」の名称が売りに出された。市が公共施設の命名権売却先を探すのは、今年4月に売却した「ニトリ文化ホール(旧さっぽろ芸術文化の館ホール)」(中央区)と、現在も買い手が見つかっていない「札幌市民ホール」(同)に次いで3カ所目。 ニトリ文化ホールについては3月の「札幌厚生年金会館が「ニトリ文化ホール」に、永く地域に貢献できる企業になってもらいたい」で紹介した。
命名権売却の話は今回が初めてではなく、2007年2月にも浮上していたが、見送りになっていた。今、日本中にどのくらいのネーミングライツされた体育施設やホールがあるのであろうか。
プロ野球のスタジアムは流石に過去と今が一致するが、Jリーグとなるとチーム数も多く、わからなくなってくる。特にJ2は地元企業も多く、「レベスタ」・ 「ニンスタ」・ 「ベアスタ 」・「カンスタ」 と云われてもどこのチームの、何をやっている企業は一致せず、ネーミングライツの意味がわからない(「正田スタジアム」や「ポカリスエットスタジアム」などはブランド力があり、チーム名・ホームタウン・企業名が一致する)。
今年、リニューアルしたセレッソ大阪のホーム・「金鳥スタジアム」も当初、長居スタジアムから変わったものだと思っていたが、観客数が少ないので以前使っていた第二競技場を改装したものだと決め込んでいた。実は今までJリーグでは使用されなかった長居球技場(おもにラグビーなど)を改装して、メインスタジアムにしたことがネットで調べてわかった。まあどこでもいいが、ネーミングライツは慎重に行わなければならない。
最初のネーミングライツは横浜国際競技場が「日産スタジアム」と命名した時だ。この時はブランド的価値が高かった。地域と企業名の調和が取れていたが、最近ではその新鮮味が薄れている。
最近、地方自治体のHPや広報を見ると広告を入れているのが当たり前となっているが、ただ「やってますよ」だけではその効果は疑問である。広告収入を取るのもよいが、会場の利用率をもっと上げることに力を注いだ方がよいのでないか。
札幌ドームが「ホクレンドーム」になるのか「ニトリドーム」になるのか知らないが、最低限、地域に根付いた企業(ブランド)であるのが条件である(現在の道経済で5億円を払える企業は限られてくる)。
ネーミングライツの怖さは地域色が薄れてしまうことである。J2のように地元企業が多くスポンサーに付く例もあるが、全国的に見れば、「札幌」が優先順位のいちばんのはずである。
昔は「大阪球場」と云えば、大阪・難波・電鉄・南海ホークスがすぐに連想された。今は「クリネックス」になっている県営宮城球場もくしゃみが出そうでしっくり来ない。趣旨は異なるが、管理人が小学生時代に通ったロッテ本拠地「東京スタジアム」(味スタとは別物)は都内外れの南千住にあったが、球場を作った永田雅一氏の東京一の球場と球団にするという意気込みをかんじる。
このままでは、甲子園球場と神宮球場ぐらいしか元の名で残らないかもしれない。
【参考記事】「札幌ドーム命名権売却と公共性」(2007.02)
管理人様こんにちは。
札幌ドームですが、今年はファイターズがBクラスということで、減収は痛いことでしょう。札幌市営地下鉄、ドーム近くのイトーヨーカドーやコンビニ、有料駐車場、JR、バスなど、がっかりでしょうね。
12月18と19日にドームで行われる無料イベントにヒルマン前監督が来るようですが、現監督に「喝」を入れて欲しいですね。
あれだけの施設ですから、修繕に莫大な費用を必要とするのは理解できます。今年、東京ドームに行ってきましたが、天井は汚れが目立ち、札幌と比べると、本当に狭い感じでした。
道内で「ポン」と5億円拠出できる企業というより、儲かっている企業はあまり多く思い浮かびません。桁外れで利益を出しているのは銀行くらいでしょうか。
●●銀行あたり、5億円を出して、施設名は「札幌ドーム」のまま、そして、愛称はあまり知られていない「Hiroba」(ひろば)から、「●●ジョイフル広場」なんてありかと思います。
そしたら、拍手喝采ですね。
元夕張市民さん、こんばんは。札幌は季節外れの雪ですね。
ところで札幌ドームの魅力は広告看板が少なく、球場全体の整頓が取れているところだと思います。東北の某球団などは酷いものです。東京ドームもネーミングライツはしていませんが広告量の多さには閉口です。
何でこんなことを書いたかと云うと、地域密着の魅力があのドームにはあるからです。
おっしゃる通り、銀行あたり「メセナ」事業としてやってくれればいちばんだと思います。メセナは死語ですが、企業が無償で社会貢献をすること-それが企業文化の育成ならびにブランド力としてリターンします。今の世の中、そんな悠長なことを言っている会社はないかと思いますが太っ腹の登場に期待しましょう。
今日、横浜ベイの買収が不調に終わったニュースをやっていましたが、あの会社は球団を広告塔としてしか見ないひと時代前の発想ですね。
おひさしぶりです。稚内のてっぺんです。
悩ましい問題ですよね。ない袖は振れないし、
ネーミングつけたら、らしさがなくなるし。
5億円の分を、全道のファンから寄付で集めれれば
最高ですが、企業メセナも育成されていないし、個人
メセナも育成されていないこの国では、無理ですよね。
一番角がたたないのは、サッポロが名前に入る会社に
ネーミングライツしてもらえばいいのですが、想定される
某飲料メーカーも赤字傾向なんで。。。
いずれにしても、まずネーミングライツなる権利概念の
再考の時期では?
てっぺんさん、ご無沙汰しています。寒くなりましたね。
おっしゃる通り、ネーミングライツは再考の時期に来ていると思います。新鮮味がなく、スポンサーにとってもどれくらいのメリットがあるのか効果測定も確立されていないのでそろそろ落ち着くのではないでしょうか。
管理人もサッポロブランドのあの飲料メーカーがいいかと思っていますが今回はないと思います。後々の記録を考えても企業名が入らないほうがいいですね。