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需要予測ハズレNO.1の紋別空港・元凶は名寄本線廃止から始まっている

国土交通省が9日に公表した空港の需要予測に対する達成率で、紋別空港が全国ワースト1の13%となったことを受け、紋別市内でも波紋が広がっている。新千歳便が廃止され、羽田便も搭乗率が52%程度と低迷しているものの、需要予測とされた37万1000人は、現在就航している126人乗りのジェット機を毎日満席で4往復させても達成できない数字。紋別市では搭乗率向上対策の不足を認めるものの、需要予測の高さに困惑している。(3/11付 北海道民友新聞

紋別空港の搭乗率については、昨年11月のブログ「東京-紋別便が廃止の危機、地域の足は重要だがよ~く考える必要あり」で問題点について触れた。紋別空港の2008年度利用実績は4万8000人で、需要予測37万1000人に対する達成率は13%と全国ワースト。もともと需要予測が立てられた平成元年~6年頃は丘珠・千歳便があり、更にここから先は推測だが東京便2往復、大阪便1往復、本州の他都市へもう1往復ほど結ぶ皮算用で提出したのではないか?当時、中標津が東京便2往復、札幌便が3往復あり、それ以上と試算をしたのであろう。

紋別空港のジェット化は1989年4月の名寄本線廃止による引換え「プレゼント」である。人口3万人余で鉄道が無くなったマチにとって唯一のメジャー交通機関が航空機である。しかし、実際は札幌からは都市間バスを利用、道外との往来も料金が安い女満別を使うのが実際だ。流氷以外にこれといった観光資源もない。地元(住民)、道外(観光客)どちらから見ても難しい条件だ。これまでたった1便の東京便が維持できたのも国交省が各社に通知している「1便ルール」があるからである。航空会社が最後の1便をやめ路線を廃止する場合、同じ路線を代わりに運航する会社が現れれば無条件で就航を認める制度であり、1便ルールが事実上、路線廃止の歯止めになってきた。

しかし、現状ではANAに代わってJALが就航するとは考えられないし、子会社化したエア・ドゥでも引き受けないであろう。中標津、稚内もそうだが1往復では経済性が悪い。羽田発では同じ1往復の石見便といいとこ勝負だがこちらは伊丹発がある。
やはり、紋別空港の周辺人口や観光入込数を考えると空港の必要性は疑われる。旭川空港や女満別空港利用者をいかに引っ張り込むかであるが、なかなか打開策が浮かばないのが現状だ。もし、東京便がなくなれば紋別の繁華街はさらに寂しくなり、地方の衰退が進む。
名寄本線が廃止になって21年が経過するが、鉄道が無くなる意味の大きさを今回の問題であらためて思い知らされた気がする。

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