閉店から1年半余りが経過 閑散とする釧路旧丸井今井前 午後7時頃(’07.8撮影)
先月のブログで帯広の藤丸百貨店が釧路からの無料送迎バスを運行する話を書いた。
3/1に運行されたが、当初バス3台・100名程度の見込みで募集したところ、予約が殺到。急遽バス10台・350名に増員するも追いつかず、その後も満員で断った客が200名ほど出たというから驚いた。
釧路からの利用客は、11時半から約3時間の滞在だったが、午後2時の時点で、売り上げは通常の40%増し、この日全体の売り上げが、普段の週末の2割増しで、宣伝効果も含めると、藤丸にとって大きなメリットがあったようだ。
この話題、NHKの朝の全国ニュースでも取上げられたようで、苦戦する地方百貨店の新たな活路として他所でも実現するかもしれない。
釧路-帯広間は約120キロ、2時間強の距離だが、札幌の百貨店への送迎バスが登場したら大変な話題になるであろう。荷物を持った客など片道利用だけでも需要があるのではないか。
これまで地方都市の百貨店の必要性について何度も訴えてきたが、今回の件で需要があることが再確認された格好だ。それにしても釧路の丸井今井閉店後の再開発も進んでいないようだ。一度、「キュート」というショッピングモールに決まったが、テナントが入らず、白紙になっている。
そろそろ2年が経過するが、リミットといえよう。
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コメント(4件)
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百貨店の需要ってのは確かにあると思うんですけど、そこにたどり着くまでのインフラで最近辛い思いをしたんで、中心部の活性化とか、街の格とか核として存在してもらいたいと思いつつ、郊外店に取り込まれたほうがアクセスはしやすいだろうし、喜ぶ人は多いのかなぁと思う今日この頃です。
東北には実例としてイオン秋田の中の中三秋田店とか、仙台にあるダイヤモンドシティ併設の三越とかですね。
釧路もイオン昭和に丸井今井が核の一つとして出店していれば今とは状況が違っていたでしょうし。
貴重なご意見、ありがとうございます。都会と地方では中心街に対する考え方が違うと思うし、私自身も地方都市に住んだことがないので、どうしても東京の尺度で発言しているかもしれません。
郊外型店舗に百貨店が入るという発想は正直ありませんでした。現実的にはmaksim727さんが言うようなスタイルがいいのかも。しかし、高齢者や学生などは切り捨てられてしまうので難しい問題だと思います。
私の経験から言うと盛岡、秋田、仙台の郊外店(イオン)と都心部からのアクセスですが、決して、高齢者や学生のような交通弱者を切り離すようにはなっていません。むしろ盛岡の場合は便利になったと思います。秋田、盛岡はバスでのアクセスが容易で本数も1時間に3から5本は確保されています。仙台の場合は仙台空港鉄道の最寄り駅からペデストリアンデッキが整備されています。
ただ、これら3都市の中心部にはしっかりとデパート(秋田西武とか、川徳とか、藤崎)があって、休日には周辺で渋滞が起こることもあるくらい盛況な時もあります。多分、デパートには消費する場所以上の何かが求められているんでしょうね。
わざわざ釧路から帯広に来た人達だって、消費するだけなら釧路のイオンで足りているはずです。それなりに高級な店もありますから。求められているそれって何なんでしょうね。
この記事はいろんな切り口で展開できそうですね。なぜ道東で藤丸が生き残れたのかとか、釧路と比較して何が違うのかとか、似た感じの北見からデパートがなくなったのはなぜかとか。
東京や大阪と地方都市では百貨店や中心街に関する概念、考え方にかなりの差があると思います。消費に関する歴史の違いもあります。
帯広が生き残っているのは、十勝の地域性、おらが町意識でしょう。道新が唯一シェアを取れないのが十勝。地場百貨店への愛着があるのでは。
釧路の場合は新規参入の丸井今井、丸三鶴屋がなくなり、最悪のタイミングで出店しています。北見東急も地場ではなく、内容もスーパーに毛の生えた程度、これでは郊外店舗に勝てません。
歴史、文化的背景も百貨店の成否に影響していると思います。
このテーマは奥があり、面白いですね。