札幌市内でホテルの開業延期や建設計画の白紙撤回が相次いでいる。景気後退に伴いビジネス客や観光需要が冷え込む一方、すでに170棟近いホテルがひしめき合う市内では、開業しても収益確保が難しいためだ。6月には新たに2ホテルが開業し、宿泊料金の引き下げなどの集客競争も激しさを増しそうだ。(5/27付 日経新聞北海道版)
昨日のブログで札幌市内の新設ホテルの話題をお伝えしたが、開業が延期になっているススキノ地区のホテルなどについて、今朝の日経新聞が詳しく伝えている。やはり、客室供給過剰と金融危機の影響が大きいようである。以前、ウエスティンホテルが市内に開業する話があったがどうなっているのであろうか。
(以下、日経新聞記事から抜粋)
【ススキノ地区の中心部に今春、完成した中層のビル。1階でコンビニエンスストアが営業するのみで、フロアの大半は埋まっていない。このビルでビジネスホテルを計画していたルートインジャパン(東京・品川)は「開業時期は未定」と話す。同社は旭川市内で計画していたホテルも開業未定としている。
不動産ファンドのダヴィンチ・ホールディングスがやはりススキノ地区で今夏に予定していたホテルの開業もメドがたっていない。16階の建物自体はほぼ完成しているものの、「ホテルの運営事業者が見つからない」(地元関係者)もようだ。
不動産開発会社の価値開発と大和ハウス工業が狸小路商店街近くで建設を計画していたビジネスホテルも、現在は白紙となっている。
年間の観光客数が1400万人の札幌市は国内有数の観光地。出張などのビジネス客も多く、ホテル側には「魅力的なマーケット」(ダヴィンチ)だった。だが、昨秋以降の世界的な金融危機で宿泊需要が減退。当面はホテルを開業しても収益確保が難しいと判断し、延期などで観光客などの回復を待つ状況だ。
景気後退による開発主体の経営破綻が、開業に影響する例も出ている。昨年11月に会社更生法を申請した東京の建設会社、オリエンタル白石は札幌市内でのホテル建設を中断している。
ホテルチェーンのサンルート(東京・豊島)の運営で今秋には開業する予定だったが、「年末か年明けにずれ込む」(オリエンタル白石)見通しという。
札幌市内のホテルの客室数は約2万3000室に達する。すでに「供給過剰」との指摘もあり、観光シーズン以外の冬場の閑散期の値引き合戦も常態化している。開業延期などの動きの一方、不動産ファンドなどの資金流入で地価が比較的高かった時期に計画が進んだホテルの新規開業も、このところ市内で相次いでいる。】
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