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西鉄&西武 野球では因縁の両者が高速バスで日本最長「Lions Express」を共同運行

nishitetu seibu

久しぶりに道外高速バスの話題を。

福岡-横浜・池袋・大宮を走るとんでもないロングラン路線「Lions Express」が12月8日から登場する。これまで日本最長の高速バスは福岡~東京(新宿)間を結ぶ「はかた」号(西鉄バス運行)の1,150キロであったが、それを上回る約1170キロ。ちなみに所要時間は福岡-大宮間が15時間10分で、福岡発の場合、天神バスセンターを20:10に出発、翌日11:20に大宮に到着する。

最長路線であった「はかた号」は1991年に登場、当初は未知なる距離を走るため、座席にもゆとりを持たせ、ミニサロンの設置や朝食サービスを実施した。その後、2階建バスの導入により、座席をプレミアムシート(2階部独立2列)・ビジネスシート(2階部独立3列)・エコノミーシートクラス(1階部4列)に分ける3クラス制を導入。運賃も1万9千円から八千円までと幅を持たせている。

Lions Express」は「はかた号」に負けない豪華なバスと思いきや何と34-38人乗りの4列シートである。ピッチは多少ゆとりを持たせているが、東京から九州まで4列シートで、隣りに客がいることを想像すると怖いものがある。「はかた号」は高速バスが番組内でよく取上げられた「水曜どうでしょう」の中で”苦行”の代表のように扱われたが、さらに上を行くものの誕生である。

福岡-大宮間の運賃は曜日や時期によって異なり、9千円から1万3千円 。ほぼ、「はかた」号のエコノミー運賃と同じである。しかし、スカイマークで福岡-羽田を利用すると平日の普通運賃で17,800円、1週間前の割引なら1万強なので、バスも飛行機もあまり変わらない。

 

西鉄高速バスと西武観光バスの共同運行だが、いちばん興味を惹いたのは「Lions Express」というネーミングである。リリースを読むと【愛称は、数々の栄光を成し遂げた「西鉄ライオンズ」の本拠地であった福岡県と、パ・リーグを代表する実力派球団「埼玉西武ライオンズ」の本拠地である埼玉県を結ぶ路線であることから、「Lions Express」と名付けました。】とある。

これはある意味、画期的である。野球の話だが、西鉄ライオンズは1972年に身売りされ、太平洋クラブ-クラウンライターの貧乏球団となった。1978年に西武へ僅かな金で買収され、所沢へ本拠を移設、移転後は九州時代の栄光はタブーとして封印され、全く新しいチームとして、意識的に扱われるようになった。

その背景にはオーナーであった堤義明の思惑があり、両者は切り離された関係でいたが、堤自身の不祥事により、王国は崩壊。それ以降、球界再編もあり、西武球団はこれまでのタブーを破り、西鉄ライオンズと歴史的な和解を実現した。現在の西武ライオンズのユニホームは西鉄黄金期を彷彿させるものであり、「ライオンズ・クラシック」などのイベントも定期的に開催している。

話は少し横道に逸れたが、西武球団と九州のライオンズとの和解がなければ、今回の愛称も生まれなかったであろう。堤氏には感謝ということである。

 

昔、西鉄の黄金時代、選手は誕生間まもないブルトレ「あさかぜ」で東京遠征をしていたが寝台に乗れたのは主力選手だけだったそうだ。また、移動ではじめて航空機が使われたのが、昭和33年の巨人との日本シリーズから。昭和50年代になってもウエスタンリーグの大阪遠征では寝台列車を使っていたらしい。乗り物ひとつを取っても時代が伺える。今やブルトレは消え、航空機は鉄路よりも安くなり、寝台列車に変わって夜行高速バスの時代である。

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