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国鉄民営化30年に関するメディア報道

4月1日で国鉄が民営化されて30年が経過した。あの日のことは今でも鮮明に覚えているが、昭和最終末期のエポックであった。このところJR北海道の経営問題がクローズアップされたこともあり、あの分割民営化とは何だったのか検証するメディアも目立つ。

週刊誌では軟派な『週刊プレイボーイ』が「JR北海道 私ならこう立て直す!」というタイトルで特集記事を掲載しており、いすみ鉄道の鳥塚亮社長などが提言しているしている。硬派の『AERA』も「国鉄とJR」という特集を組んでおり、買ってみたが、なかなか読み応えがあった。
また、経済誌の『週刊ダイヤモンド』では、「国鉄 vs JR 民営化30年の功罪」を、『東洋経済』では、わざわざ別冊を出しているが、鉄道ものを扱うと部数が伸びるようである。

最近、ネットの経済系ニュースでも鉄道記事がレギュラー化しているが、鉄道はメディアにとってキラーコンテンツになっている。しかしながら粗製乱造の感もあり、明らかな間違いや客観性に欠けるもの、また、底が浅いキュレーションサイト並の記事が目立ってきているのが気になるところである。書けるプロが少ないのかもしれないが、亡くなった種村直樹さんのような国鉄担当記者からフリーの鉄道ライターになったような人はなかなかいない。
鉄道ネタは部数が減り続ける紙メディアや誘客したいネットニュースにとっては、必須になってきている。

さて、JR北海道の関する記事の方では、プレイボーイに登場したいすみ鉄道鳥塚亮社長のものが目を引いた。ほぼ同じような内容のものが、氏のブログでも紹介されているが、JR北海道の車内販売休止について触れている。

乗らないから売れない、売っていないので更に乗らないという悪循環から脱出するためには氏は
『JR北海道がやらなければ、誰か別の事業者がやればよいだけの話であります。地域の事業者でもよいし、北海道ならセイコーマートなどのコンビニチェーンが担当しても良いでしょう。そういう民間事業者が車内販売をやれば、お客様は安心して利用できますから、JR北海道にとってもプラスになるはずです。』と述べている。

実はこの内容、先日北杜の窓Facebookページで管理人が書いたものとほぼ一緒だが、こういった柔軟性をJRにはもっていただきたいと思う。国鉄時代、長距離やローカルな急行などには地元の駅弁業者や商店が担当エリアを分けて乗務していた。
沿線の地元業者が販売できれば、地域再生にもつながるはす。JRは目先の既得権益に走ることなく、長い目で沿線(北海道)全体の活性を考えていただきたい。

また、「AERA」は硬軟おりまぜた内容であったが、国鉄解体がその後の日本のリストラの原点であり、国鉄がやったので民間もやりやすくなったという記事が興味深かった。今、「昭和解体」(牧 久著 講談社)という分割民営化に関する長編ノンフィクションを読んでいるが、「AERA」の内容と重複するところがある。「昭和解体」なかなかのは力作でり、この30年を検証するのにも貴重な資料である。

いくつかの視点で紹介された民営化の30年、多くの矛盾も露呈しており、一度、検証をするべきであろうが、都合の悪いことは振り返ろうとしない我が国なので、期待できそうもない。

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