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江差町に4万円の高級旅館が開業 地域の特性にあった宿展開に期待する

滞在型の高級宿泊施設が増える道内で、道南の江差町にも、1泊2食付き(2人1室利用)で1人4万円という高級旅館「江差旅庭群来(くき)」が11日にオープンする。客室7室にはすべて源泉掛け流しの風呂を完備し、地元食材を生かした創作懐石料理を提供する。(6/4付 読売新聞北海道版)

このところお篭り系高級宿が続々誕生しているが、まさか道南・江差に出来たとは驚きである。運営は江差町の経済人などが出資する檜山地域振興公社ということだが名前から察すると三セク?江差の中心に温泉宿が出来るという話はかなり前から聞いていたが、資金調達に手間取ったのであろうか。
旅館のデザインは、小樽の「蔵群」や登別温泉の「望楼NOGUCHI登別」を手がけた建築家に依頼し、料理は「料理の鉄人」でも有名な「なだ万」の中村孝明氏が監修というからかなりの気合の入れようである。
場所は江差観光の中心、鴎島の入口にあり、客室はすべて63平米と広く、各室かけ流しの天然温泉完備という豪華版である。料金は1泊2食付で一人4万円(冷蔵庫やアルコール類など飲料代含む)。 6月10日まではキャンペーン期間とし2万5千円て宿泊できる。
北海道の日本海側、とりわけ松前から岩内あたりにかけての「追分ソーランライン」沿いは宿泊施設が少なく、これまで豪勢な宿とは縁遠いエリアだった。典型的な通過型地域であり、江差町には古いビジネスホテルと家庭的な旅館があるのみ。管理人も2度ほど民宿とあまり変わらない旅館に宿泊したことがある。
江差には以前、五厘沢温泉という江戸時代から続く温泉場があり、北海道振興が経営していた「緑館」があったが潰れ、今ではその場所に天然温泉かけ流しのラブホテル「ツインリーフ」が建っている(贅沢)。
桧山エリアの宿というと前浜で取れた海の幸とかけ流しの温泉は魅力的だが、多くが民宿の延長線のような宿か公共施設で、いきなり4万円の宿が出来るとは少し極端過ぎる気もする。
管理人は鶴雅グループのような3~4万円単価の宿もいいが、1万円台で高品質のものを提供できる宿がこのエリアには合っていると思う。たとえば八雲町の「銀婚湯旅館」、知内町の「知内温泉旅館」、鹿部町の「鹿の湯」、函館市内の「池之端」のような1万5千円程度で、こじんまりして、しっかりした料理を提供、温泉もいい・・・・こんな宿が似合っており、他の道内の温泉地にはない、歴史のある道南だからこそ提供できるものではないかと考える。
同じ追分ソーランラインのエリアなら寿都にある「鰊御殿」を利用した宿など地域の資産を活用した宿もあり、そんなに豪華なものをつくらなくても・・・・果たして道内・道外からの宿泊客が少ない江差町で高級お篭系が成り立つのか、価格からすれば道外客がターゲットになるであろうが、どうやって告知をして、江差まで誘導をさせるのか、不安材料はある。
江差は地ビールブームの時、すぐに立ち上げたが、あっという間に撤退をしている。世間の風に流されず、身の丈、江差に合った宿をつくるべきであろう。利益が大きく、滞在客が期待でき、ブランド化につながるとでも判断したのかもしれないが、同じようなものをいくつも作ってどうするのだ。江差は温泉地ではなく、湖もない。江差に限らず、地域の特性(強み)をわかっていないところが多い。ワンパターンのオーベルジュ然り、お篭り系然りである。津別町の「チミケップホテル」のようなオンリーワンが育ってほしい。
「江差旅庭群来(くき)」成否のカギは価格設定と札幌・道外大都市へ向けたPRをいかにするかである。江差という町も知られていない。オフシーズンの集客にも課題が残る。
【参考】旅館公式サイト

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