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減り続ける函館訪問観光客、その背景にある根深い理由とは

函館市は、08年度に函館に訪れた観光客が前年度比5・3%減の456万2千人だったと発表した。07年度に続き2年連続の減少で、過去10年間で最も少ない。市観光振興課は、原因としてガソリンなど燃料の高騰や世界的な景気の悪化などを挙げている。(6/8付 朝日新聞北海道版)

函館観光の落ち込みが止まらない。 函館のを訪れる観光客は98年度の539万人がピークで、05年度に500万人台を割って以来、減少傾向に歯止めがかからない状態だ。景気後退、外国人観光客の減少、燃料高、航空機の小型化や減便、高速船の休止など理由はいくつかあるが、さらに深いところに函館観光低迷の原因があると思う。
少し話が逸れるが、5/29から5/31までパシフィコ横浜で観光業界の見本市「旅フェア」が開催された。北海道の自治体からは函館市と美瑛町・富良野市が出展し、両ブースは仲良く軒を連ねていたが、この二つは相容れない関係なのではないかと直感した。
どういうことかというと、函館と美瑛・富良野とでは観光目的・スタイルが異なる。函館は観光ルートに従った名所旧跡探訪がメインの典型的な観光地であるが、美瑛・富良野はお決まりのスポットに加えて、観光客自らお気に入りのポイントを探して、また来たくなるような自由選択的な要素がある。たとえば一回目はツアーバスなどで来たが、時間をかけてもう一度、個人旅行や違った季節に来て見たいという動機付けを与えれてくれるという点だ。夏の美瑛の丘陵はよかったが、真冬の美瑛もよさそうだ。今度、来るなら制約があるツアーではなく、個人旅行で来てみたい・・・・・
函館はリピートを促す動機付けに欠けていると思う。特に道外観光客を触発させるものが足りない。それは何であろうか。道外からの観光客は北海道に対して非日常的な環境を求めてゆく。簡単に言えば雄大な自然であるが、函館はそういう場所ではない。むしろ異国情緒溢れた北海道では異質な観光地である。カテゴリーとしては本州の観光地に近いであろう。このあたりが函館観光不振の本質があると思う。メニューが完成されており、それが面白みに欠けるのか。
前述した美瑛・富良野を訪れる観光客が函館にも寄るであろうか。北海道が初めてという周遊型観光ではありえるだろうが、最近は平均2泊3日程度が主流なので札幌は外さなくても、函館は外されてしまうであろう。また、函館は周遊観光をする場合、次の観光地に移動する距離がかなりあり、公共交通の場合、アクセスも悪い。このあたりも函館が敬遠される理由ではないか。
来年末の新幹線が新青森駅まで開業をするが、函館観光を北海道観光の玄関口として位置づけるのか、北東北観光の延長線として考えるのか重要なテーマである。さらに新幹線が函館まで開通した場合、宿泊客が減り、通過型の観光地になるかもしれないという危機感を持つべきである。
物見遊山型観光地から脱却できない函館であるが、歴史があるという道内での異質さ由の宿命であろうか。管理人はそれだけではないと思う。むしろ、その歴史が足を引っ張っており、さまざまな面で複雑化させているのではないか。

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