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大沼プリンスホテルが冬季休業決定、このままではジリ貧になる大沼観光

函館大沼プリンスホテル(七飯町西大沼温泉、斎川昭雄支配人)は5日、今年の営業を11月23日までとし、冬場を休業する方針を固めた。営業再開は来年4月16日を予定。冬期間の宿泊客が伸び悩み、慢性的に不採算状態が続いていることから、営業基盤の立て直しの一環で冬期休業を決めた。同ホテルの斎川支配人は「休業をマイナスイメージととらえず、営業の立て直しを図るためのきっかけにしたい」としている。(8/6付 函館新聞)

同ホテルを運営するプリンスホテル管理部は、来年度以降の冬期営業について未定とする一方、2015年度には北海道新幹線の開業や、北海道縦貫自動車道が大沼まで開通される見通しなどから「将来的に明るい材料があるので今回の休業を営業基盤の強化につなげたい」としている。
大沼プリンスは当初、スキー場とゴルフ場、それにコテージで開業、その後、1990年7月にホテルを開新設し、温泉も完備した。道外からのスキーツアーでも賑わったが、宿泊客数は2002年度の14万8000人をピークに減少傾向にある。ここ3年間は10万人台を割り、09年度は5万800人にとどまっている。
プリンス系リゾートはグループのリストラ策により、ニセコ東山のような売却以外にも季節営業が増えている。あのプリンスのシンボルとも云える「苗場プリンス」も現在は冬季のみの営業となっている。
大沼の場合、スキー客減少以外にも、大沼観光全般の不振、函館観光の落ち込みも重なって、悪のスパイラルに入っているのではないか(外国人ツアー客減少も痛い)。
大沼は風光明媚な避暑地として古くから賑わっていた。かつては宿泊客も多く、函館1泊→大沼1泊の定番コースもあったが、函館からの日帰り観光圏に吸収されてしまっている。
宿の数も減り、大沼公園駅に近い「ホテルニットー大沼」も10年以上前に閉鎖(ジャンボ尾崎が所属していた日東興行が経営)。その他にも管理人がお気入りの「山水」も営業している気配はない。数軒の宿がなくなり、その間、JRが運営する「クロフォード・イン」が誕生したが、大沼全体では元気を感じられない。宿ではないが、「ヴェネチアグラス美術館」など客が来そうもない施設もいくつか作られては、早々に閉鎖に追い込まれている。
どうして大沼の客足が伸びないのか。それは函館のサテライト観光圏であり、通過型観光地になってしまっているからだ。また、宿の選択肢も少なく(クロフォードのような良質なホテルもあるが)、団体・個人とも扱いにくい場所なのかもしれない。本州で云えば、ゴースト化した高原リゾート(清里や白馬・北志賀など)とどこか似た雰囲気がある。
大沼プリンスの近くには、似たような施設「グリーンピア大沼」のホテルとスキー場もある。道南圏が苦手としている冬季観光であるが、営業力があるプリンスでも休業せざるを得ないのだからきびしいと言わざるを得ない。都市部に近い温泉や観光地の衰退は全国共通の傾向であるが、これは「函館観光」が抱える問題として考える必要があるであろう。

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