2015年度に北海道新幹線が新函館まで開業することに伴って、JR北海道から経営分離される江差線の木古内―五稜郭間(38㌔)がバス転換されると札幌発の寝台特急が廃止される公算が強くなっている。上野へ向かう「北斗星」や「カシオペア」、大阪行きの「トワイライトエクスプレス」などJR北海道は寝台特急を持たない鉄道会社になる可能性が高い。(11/3付 北海道リアルエコノミー)
このニュースソース「北海道リアルエコノミー」からだが、なかなかよく書けている記事なので興味のある方は目を通していただきたい。
先日、江差線の木古内―五稜郭間廃止問題がニュースとなった。道はバス転換を打ち出しているが、これについては避けられないと見る。上磯がある北斗市は反対のポーズを取っているものの、実際の鉄道利用者はあまり多くなく、通学利用者もバスや自転車とマチマチである。木古内町は反対の姿勢を示しておらず、こちらは新幹線も止まるのでそれでよしとしているのであろう。沿線から鉄道がなくなる訳ではないので、反対運動も盛り上がらないかもしれない。函館圏の住民にとっては、新函館-函館間の経営分離問題の方が気になるかもしれない。
管理人はあまりニュースにならない木古内-江差間に興味がある。廃止になる可能性が高いが沿線の道路状態はよくなく、あそこに代替バスが走るのであろうか。
ところで、路線廃止の影響による本州直通寝台特急(「北斗星」、「カシオペア」、「トワイライトエクスプレス」)の処遇だが、新幹線との青函トンネル内での軌道問題や本数調整などの在来線並行問題でもともと残すことは難しいと見ていた。これで木古内-五稜郭間が廃止となると寝台列車が生き残る可能性は殆どなくなる(新幹線線路に2種類の軌道を通し並行運転にするという方法はあるが現実的にはきびしい)。
ひとつ疑問なのは貨物列車の扱いである。もし、木古内―五稜郭間の鉄路が絶たれれば北海道と本州を結ぶ貨物輸送はどうなるのか。新幹線線路と同じ線路を走るというのは青函トンネル以外では考えにくい。知内町では貨物ターミナル誘致の話もあるというが、旅客の廃止だけで終わるということも十分考えられる。
現在、本州とを結んでいる寝台列車は上記の特急の他に急行「はまなす」(青森-札幌)があり、4本となる。国内を走る寝台列車はこの他に「あけぼの」(上野-青森)、「サンライズ瀬戸・出雲」(東京-高松・出雲市)、「日本海」(大阪-青森)、急行「きたぐに」(大阪-新潟)が残るのみであり、その内の半分が本州と北海道を連絡している。函館まで新幹線が延伸するのは4年後だが、その間にも廃止される寝台列車があると思われ、北海道とを結ぶ夜行列車がなくなれば、”寝台車 終焉の日”を迎えるかもしれない。
先日、札幌からの帰り久しぶりに「北斗星」に乗って帰ろうと思い何度も「みどりの窓口」へ通ったが、平日にも関わらず、B寝台ソロはその週すべて満席であった。上野発なら珍しいことではないが、札幌発では経験がないことであった。そういえば、大阪発の「日本海」に乗ってみたく調べたが、こちらも開放型のB寝台を含め、満席の日が多く、修学旅行生の利用かなと思ったが、お目当ての開放型A寝台(今では貴重で日本海ときたぐににあるのみ)も満席であったので、残り少なくなった寝台列車そのものの人気が高まっているのかもしれない。
寝台利用者は鉄道ファンばかりではなく、時間のあるシニアや子供に思い出を作らせたい家族連れなど幅広い。特に本州と北海道とを結ぶ寝台車は大きな観光資源であり、簡単に廃止することはできないであろう。寝台利用者は航空機利用者よりも旅行日数も長く、落とす金額も大きい。経済効果から考えても早急な廃止には反対である。
JRがどう対応するのか注目であるが。管理人の「北斗星100回乗車」もこのところ寸前で足踏みしている。
北斗星など豪華ブルトレが無くなるのも寂しいですが、「急行はまなす」が無くなってしまうと困ります。
札幌-北東北は、交通アクセスが良くなく、昼間に移動すると一日仕事になってしまうので、寝ながら移動できて運賃も手頃な急行はまなすは、結構現実的な選択肢に入ってきます。
木古内-江差間は、今のところ存廃の論議には入っていませんが、もともと通学や通院などの固定客が少ない区間でもあり、今後が気になりますね。
地元では、木古内駅を江差方面への広域観光の入り口にしよう、という動きもあるようです。
ただ、江差から国道227号の道南中山峠を越えれば、1時間足らずで新函館駅(現・渡島大野駅)に着けますから、現実的には新函館駅を使う人の方が多いかもしれません。
地球ネコさん、こんばんは。
「急行はまなす」は実用的な列車ですよね。カーペットカーが出来た頃に一度だけ乗りました。首都圏からだとあまり機会がないのですが根強い人気があるようです。寝台も混んでいますね。
木古内-江差間ですが、江差線(五稜郭-江差)の枝線のような状態。沿線これといったものはありませんが湯ノ岱温泉はおススメです。駅からすぐでお湯がとてもいいので2度ほど行きました。長閑です。
現在、函館-江差間はJR,路線バス共に2時間以上かかります。木古内、新函館から新たなルートができれば江差・桧山への観光入込が増えるかもしれません。道南中山峠ですが仕事でも何度も走ったことがあり思い出深い峠道です。
どまんなかです。はまなすは唯二の急行ですがきたぐに同様ほぼ同時期に 廃止ではないでしょうか(泣)。新幹線で完全に代替可能になりますからね。北斗星他は祈るしかありませんがドイツDBやJR九州のように寝台に力を入れてほしいです。なにより他県行きの列車が駅のダイヤ表示から消えるのは悲しいなあ。江差方面はやはり中山峠ルートがメインでしょうが観光ルートというか代替ルートなら松前回りも季節によってはありかも。松前や上ノ国など結構面白い観光地もあるので地元もやる気と知恵を出して欲しいです。
どまんなかさん、コメントありがとうございます。
「はまなす」と「きたぐに」がほぼ同時期に廃止ですか。ならば貴重な583系改造A寝台があるきたぐにに乗車してみたいですね。先日、「日本海」のA寝台を大阪発で探しましたが満席でした。
寝台列車は全廃にはならないような気もします。約110年の歴史があり、いきなり全廃はJRも相当勇気がいるのでは。国鉄時代は新幹線ブルトレ構想があったようですが今は夢のまた夢。どの区間を残すかといえば本州-北海道しかないと思います。九州は現実的に難しいでしょう。
松前・江差方面は本当に知られていないスポットです。管理人は仕事で何十回とその方面に行っていますが、最後の北海道の「秘境」ですね。訴求点が難しいところですが、新幹線を上手く活用してほしいと思います。
「急行はまなす」は、終電という側面もあるので、廃止時の対応が難しいところですね。
私が函館に住んでいた頃は、新幹線は八戸までの時代。17:56東京発のはやてに乗ると、八戸から在来線特急、青森ではまなすに乗り換えて、函館には午前1時着。帰宅して翌日は普通に出勤できるので、重宝しました。
(八戸・青森の乗換タイムが、ちょうど酒とつまみの買い足しにも便利でした)
逆に札幌発でも、苫小牧・東室蘭・伊達紋別あたりまでは、終電として利用される方が多いです。こちらは、万一はまなす廃止となったら、宗谷本線・石北本線の夜行が無くなった時のスーパーカムイみたいに、代替列車を走らせることになるのでしょうが。
江差方面への話に戻しますと、湯ノ岱温泉は、鄙びた赤いお湯が心地良い、素晴らしい温泉でした。
湯ノ岱駅での、今では貴重な、スタフの授受も見逃せないポイントですね。
地球ネコさん、コメントありがとうございます。
急行「はまなす」の需要は幅広いですね。首都圏に居ると意外に気付きませんが、以前札幌の友人と函館で飲んで、そのまま泊まらず友人は「はまなす」で帰ったことがありました。
青森発着ではなく、新青森にして貰えればありがたいですが。
湯ノ岱温泉いいですよね。道南のお湯は高温ですがそれほど熱くないのも有難いです。あそこは「国民保養温泉」に指定されていますが、まさに保養には最適です。JRが湯ノ岱をPRしたのは一度も見たことがありませんね。それだけ、木古内-江差間は無視されているのでしょう。
途中の上ノ国町は意外性があって面白い町です。知内、松前から檜山にかけては知られていない魅力のあるエリアで好きです。
はじめまして。
いつも管理人様のご意見になるほどと思っていましたが、この記事は少し疑問に思います。
青函トンネルは人よりも貨物主体と聞いたことがあります。新幹線車両に貨物列車ごと積むという話もありますが、2015年時点で実現できるか微妙なところです。
青函航路の復活でもない限り、津軽海峡線の廃止はないと思いますが、いかがでしょうか。
みん様、初コメントありがとうございます。
津軽海峡線は青函トンネル内で在来線と新幹線が一緒になります。なのでこの路線が廃止になることはありません。津軽海峡線が新幹線になるかは微妙ですが。
今、廃止の論議が起きているのは江差線(木古内-五稜郭間)です。津軽海峡線はJRの幹線指定ですが、江差線はローカル線指定になっています。もし、江差線が廃止になると新幹線を利用した貨物線は残るはずですが、在来線の寝台列車がどうなるかわからないというのが今回のテーマです。