函館湯の川温泉旅館協同組合(金道太朗理事長、22軒)は、東日本大震災の自粛ムード打破を狙った「みんなで乗り越えよう!被災地応援キャンペーン」を実施する。道民限定で18日から6月30日までの間、全加盟施設が5000円、7000円、1万円の3つの料金プランで宿泊や食事などのサービスを提供。売り上げの3%を義援金として寄付する。(4/15付 函館新聞)
湯の川温泉の多くの宿泊施設が加盟する同組施設では震災後、3、4月だけで3万3000人のキャンセルが相次ぎ約4億円の減収となった。 キャンペーンは、観光旅行などを控える自粛ムードを打破して客を呼び戻そうと企画した。
観光地から人が消えた。管理人の実家がある鎌倉はサクラの季節なので多少は戻っているが外国人は殆ど見かけない。こんなことは初めてである。今日は銀座まで出かけたが、普段はアジア系買い物客で賑わう銀座通りに、それらしき人影はない。浅草も同様らしい。
先週まで道内に12日間滞在したが、外国人観光客は皆無で、道外客も殆ど見かけないに近い状態であった。3月の道内観光客は3割減で、浸水被害の函館は半数になっている。これは震災前も含まれた数字なので以降は7割減ぐらいではなかろうか。6月までの三ヶ月間に約1千億円の損失が出ると北海道観光振興機構では計算しているが、年間の観光総収入が1兆3千億円なのでダメージは計り知れない。
今回、湯の川温泉が道民限定プランを打ち出したが、道内宿泊客の8割以上は道内客が占めている。「じゃらん北海道版」が売れるのも、道民宿泊客が多いからだ。特に北海道民は、自分が住んでいる地域より温かい南へ観光する「南志向」があり、函館は定番人気スポットである。
管理人は以前からインバウンドも重要だが、国内客、特に道内客への周知をあらためて行うべきだと何度か言ってきた。今回のような非常事態の場合、いちばんの顧客は道内客である。
湯の川温泉の道内客向けプランでは5千円・7千円・1万円のコースを設けているが、函館の宿泊施設の安売り合戦を見慣れているせいか普段と大して変わらないといった印象だ。2食付きで7千円以下はザラであり、5千円以下も珍しくない。また、「若松」、「竹葉新葉亭」、「望楼NOGUCHI」などの高級旅館は食事コースのみである。よほどの差異化を打ち出さない限り、客足は戻ってこないと思う。
湯の川はこれまで集客へ多岐に亘る努力をしてきているが結果として現れていない。その原因を述べると長くなるが、個人客への対応とおもてなし,それと温泉街としての資質(情緒や風情など)にあると思う。団体客が激減した今、変化が試される時だ。
函館に住んでいた頃、湯の川の温泉旅館で宴会やったことあります。地元客をつかむだけでも、伸びる余地はある温泉ですしょう。
湯の川で残念なのは、「温泉街」が無いこと。大ホテルの囲い込み政策のせいなのかもしれませんが。
飲み屋はそれなりにあるけど、街の雰囲気が、あまりブラブラして楽しみたい感じでは無いですよね。
地球ネコさん、こんにちは。
「温泉街」が無いのは北海道の温泉地、共通の問題ではないでしょうか。大型ホテルの囲い込みと寒冷地というハンディがあるため、どうしても一ヶ所で消費をしてしまいます。
しかし、草津や湯田中・渋などは寒冷地ながら温泉街を形成しています。気候の問題ではなく、温泉文化や地域共生に対する考え方の違いだと思います。
北海道はよい意味では合理的ですが、それが情緒や風情といった温泉に重要な要素が育たない環境にあります。この両立は難しいテーマです。
登別や定山渓は、まだ温泉街としてブラブラ歩くのが楽しかった記憶があります。
湯川の場合、周囲が普通に商店や住宅の建ち並ぶエリアだったり、大ホテルの塀の裏側を延々と歩く羽目になったりしていて、散策が楽しくなかったです。
住宅街の中に温泉街があること自体は悪くないので、マチ全体としての造りを、いろいろと考える必要はありますね。
地球ネコさん、こんばんは。
湯の川は立地的にその気になれば「温泉街」を形成することは可能なはずです。また、温泉組合も足湯などそれなりの努力はしています。
思うに住宅街と温泉、大型ホテルと小規模な宿など全体的なバランスが悪いような気がします。調和が取れていない、これが湯の川の欠点では?
これは都市部にある温泉では割合よく見かけるケースです。