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「五勝手屋羊羹」が販売を再開、函館・道南土産菓子考

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五勝手家本舗の丸缶ようかん
熊石羊羹.jpg
よく似た熊石羊羹(乙部町にも似たものがある。檜山地方は丸缶羊羹が多い?)
昨年8月、商品の一部にカビが見つかり、製造販売を中止したいた江差町の五勝手屋本舗が約五ヶ月ぶりに営業を再開した。五勝手家本舗は細い筒に羊羹が入った「丸缶ようかん」で有名だが、「白い恋人」ほどの全国区ではないので、ローカルニュースで止まっていた。
実は管理人もこの「事件」はうる覚えで、すでに忘れていた。こう立て続けに食品絡みの偽装や事故が起きるとマヒをしてくる。
五勝手家本舗の名物である丸缶ようかん、実は管理人のお気に入りである。筒から押し出して、出てきた部分を糸で切って食べるというユニークなパッケージだが、最初はどうやって開けて、食べるのか頭を捻ってしまう。
よく函館・道南へ行った際は、この羊羹を土産に買って配る。最初の反応は、北海道みやげなのでロイズや六花亭あたりの洋菓子を予想してくるが、どう見ても北海道のイメージとはほど遠い和風で、レトロな筒型パッケージを見て、一瞬、間ができる。しかし、意外に可愛い形と、開封方法や食べ方などで盛り上がるのだ。
また、管理人自身も自分の分を買って帰る。羊羹は日本酒とけっこう合い、つまみにもなるのだ。
それにしても函館・道南へ行くと菓子土産に迷う。海産物はあっても地場の菓子が本当に少ないのだ。空港や駅の土産物店へ行っても”全道ブランド”のものばかりで地域を代表するような銘菓に巡り合えない。大昔なら「トラピストクッキー」が北海道土産の定番であったが最近では隅に置かれている(かなりクセになる味だが)。やはり、御三家(白い恋人・ロイズホワイトC・マルセー)がいまだにスペースを取っている。
函館・道南は歴史があるところなので古いお菓子屋さんはけっこうある。「千秋庵」ももともとは函館だ。最近では、スナッフルズの「チーズオムレット」が人気となり、いつのまにか函館を代表する土産菓子になった。これなどまさに口コミ・メディア先行型である。地元でも、函館らしい特産品を送り出そうと、シンボルのイカやがごめ昆布などを用いた菓子をつくり、産学官で頑張ってはいるが。
しかし、どこか垢抜けない。どうしてだろうか。函館へ行く度に新しい菓子が並んでおり、企画開発に努力していることが商品を見ただけで伺えるが、”スウィーツ”というイメージからは離れている。函館は、最初に西洋文化に触れたマチなのに十勝・帯広の菓子がもつようなスマートさが全体にない。
やはり、道南地域がもつ文化(北海道でありながら北海道でない土着性のようなもの)が創造力を弱めているような気がする。それはDNAに近いレベルなので修復が難しいかもしれないが、その分、「五勝手屋羊羹」のような伝統銘菓がある。江差町は北前船の寄港地であった歴史があるところ。桧山は地味なところだが、古くていいものが残っている地域だ。
ヒット商品は簡単につくれないが、伝統銘菓をブランド化して、更に広めることは可能だ。、「五勝手屋羊羹」にはそういう存在になって暖簾を守ってもらいたい。地味だが、道南らしい土産物だと思う。
いかがであろうか。
 

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