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「天人閣」が民事再生、難しい立地条件と中規模旅館の運営

東京商工リサーチ旭川支店は10日、天人峡温泉(東川町)で最大規模の老舗温泉ホテル「天人閣」が民事再生手続き開始を旭川地裁に申し立てたと発表した。負債総額は約8億4000万円。同ホテルは手続きの間も営業を継続する。(12/11付 読売新聞北海道版)

 天人峡温泉については、8月の拙ブログ「天人峡温泉、素材のよい温泉だが改良の余地あり」で紹介をした。良い素材を持ちながらそれを活かしきれていない同温泉に対して書いたものだが、残念な結果となってしまった。
発表によると、天人閣は1900年に創業し、ピーク時の1980年頃には年商約10億円を計上した。だが、景気低迷による観光客の減少などの影響で、昨年の年商は約2億6000万円にとどまっていたという。かつては、道内屈指の老舗温泉ホテルとして知られたが、2007年に無許可で沢の水を宿泊客の飲用水に使用し行政指導を受けたことなどから利用客が減少していた。
天人閣だではなく、この温泉郷全体が厳しい状況なのではないか。その理由としては①大規模旅館がなく、層雲峡のような団体集客が難しい②逆にこじんまりした高級志向の宿もない③隣接する旭岳温泉のリニューアルが進み旅館施設の差がついてしまった③客室規模が100室以下の中規模旅館の集まりであり、もっとも経営が難しいカテゴリーの集まりである④料金は安いが宿に特長がないなどが挙げられる。特に天人閣は唯一客室数が100もあり、埋めるのは大変であったであろう。
折角の旭山動物園効果を活かすことができず、エージェントから見ても扱いずらい温泉ではなかったか。本州の湯快グループや伊東園グループなどに入れば状況も変わっていたであろうが、北海道にはまだこのモデルはなく、歴史ある古い温泉なのでプライドや閉鎖性があったのではないかと想像する。

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