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ウィラーが東京北海道のバス&フェリー商品を発売、定期とツアーバスの境界線がなくなってきた

久しぶりに高速バス業界の話を。
北杜の窓のアクセスログを調べると、高速バス関連、とりわけツアーバスの雄・ウィラートラベル関連の記事が上位を占める。どうもバス業界関連の方もかなり読まれているようである。
あらためて説明をするが、ツアーバスとは、一般定期路線バスとは異なり、主に二点間の輸送を目的としたバスツアー(募集型企画旅行)のこと。路線バスはバス事業者が運行するが、ツアーバスは旅行会社が主催・運行する。スキーバスと同じ仕組みだが、巨大化したウィラーはこれまで零細貸切バス会社にチャーターしていたが、最近では自社でバス会社をつくり、女性客や若者を意識したスタイリッシュなバスを導入して支持を集めている。
そのウィラートラベルが、本州から北海道まで、バスとフェリーのセット商品(東京~函館と東京~ 苫小牧の2ルート)を平成22年7月1日から販売を始めている。
東京~函館ルートは、東京から青森港まではウィラー・トラベルの企画実施する高速ツアーバスに乗車し、青森港から函館までは津軽海峡フェリーに乗り継ぐ。東京~苫小牧ルートは、東京から八戸港まで同高速ツアーバスに乗車し、八戸港から苫小牧港までは川崎近海汽船に乗り継ぐというもの。料金は函館ルートで6,800円から11,300円。苫小牧ルートで8,800円から14,100円。
高速バスとフェリーを利用して北海道へ渡る商品は数年前からあり、たとえば東京-水戸(大洗)まで高速バス、大洗からフェリーで苫小牧まで行くコースや東京から青森までは夜行高速バス、青森から函館まではフェリーを利用するコースなどがあった。
特に大洗経由のコースは苫小牧から札幌まで中央バスの高速バスも付いており、「パシフィックストーリー」というネーミングでかなりの需要がある。年間150人以上の利用者があるらしいが、欠点は夏休みに利用できないことだ。
そういう意味ではウィラートラベル商品は強みだ。これまでフェリー&高速バスは前述した一般定期路線バスが受け持ってきたが、ツアーバスの本格参入により、市場にも変化が訪れそうだ。もともとウィラーはスキーバスの会社であり、バブル期、学生相手にフェリーで北海道まで行き、現地から貸切バスでスキー場へ向かう安いパックで儲けていた会社なので、このあたりのノウハウはありそうである。
もうひとつウィラーの話だが、これはバス事業者から見ると大変ショッキングな話だ。青森の南部バスがウィラーと提携し、十和田観光電鉄株式会社、国際興業株式会社と3社で共同運行している高速路線バス八戸~東京線(シリウス号)の運行から撤退してしまったのだ。
シリウス号は「スターエクスプレスフロンティア」として、八戸~東京・千葉(TDL)間で運行。運行スケジュールは、シリウス号のルート、停留所を見直し、八戸市内においては、これまでの八戸ラピアバスターミナル、本八戸駅、中心街ターミナルに加え、八戸港フェリーターミナル、八食センター、八戸駅、グランドサンピア八戸が新たに設定した。
このところウィラーに代表されるツアーバスの高速バス業界への侵食が激しく、赤字路線が続出していた。想像であるが、南部バスも赤字で苦しんでいたのではないか。もともと中小バス事業者であり、古い車両が多いことでバスファンには人気の会社だ。
今後、ツアーバスとの共同運行に寝返る路線バス会社は増えてくるであろう。また、定期とツアーの境界線も曖昧ななってきそうであるが、その前に両者のガイドラインを設ける必要がありそうだ。

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