名士バス(本社名寄市)が4月27日からホームページを開設した。今まで「路線バス会社なのになかったの!?」という声が聞えてきそうだが、そもそも名士バスの存在自体、多くの方は知らないであろう。この会社は名寄市を中心に、下川町、興部町、西興部村、風連町、美深町などに路線を伸ばしており、つい最近まで旧名寄本線の代替バスで紋別、遠軽方面まで行く路線があったが今は興部まで。鉄道代替バスもいよいよ廃止される時代になっている。かつては古い車両が多く、バスマニアに人気があったようだが、多くは廃車になったようだ。
ところで路線バス事業者のIT化は遅れを取った格好で、自社HP作成も世間より数年遅れていた。未だに自前ドメインを取得していない会社や会社案内だけのものなど、とりあえず作りましたよ的なものも多く、事業者によってかなりの差がある。
最大手の北海道中央バスは流石に手堅いつくりになっている。地方の事業者では沿岸バスがネットでの情報発信に熱心で、楽しい画面だ。
管理人が調べたところ、現在道内の路線バス事業者で公式サイトを持っていないのは、「あつまバス」と「網走交通観光」の2社と思われる。あつまバスは厚真・早来地区に数路線を持つ小事業者。大昔は早来軌道という鉄道会社であった。網走交通観光は、網走バスとは別会社で、東藻琴方面へ路線を持っており、こちらも前身は鉄道会社である。両社ともメインは観光貸切なので、道内各地でけっこう見かける。
小さな路線バス事業者は利用者の多くが地元の高齢者か学生なのでHPを作成してもアクセス数は限られている。しかし、観光利用がある路線や生活路線でも中・長距離路線がある事業者となると状況は変わってくる。
以前なら「道内時刻表」(交通新聞社)を買えば、大体の路線バスダイヤがわかったが、今は生活路線の掲載がカットされ、代表的な路線のみの紹介となっている。
そういう時はバス事業者のサイトに頼るしかないのだが、肝心の路線が出ていないことが多いのだ。たとえば、函館バスの場合、中長距離路線が広範囲にある。函館を基点に恵山、鹿部、長万部、江差、松前方面や檜山地区の路線など数多くのローカル路線を抱えるが、自社サイトではダイヤはおろか路線すら紹介されていない。
それでいて、函館市内のロケバスシステムなどが出ているが、PCでロケバスを調べる人などいるであろうか?あくまでも実験レベルであろうが、函館バスのサイト全体が非常にお粗末だ。国際観光都市を目指すのであれば何とかしていただきたい。
たまたま函館バスを例に挙げたが、この他にも何とかすべき事業者がいる。コストをかけてのHP制作や運営・管理まで手が回らないのが実情であろうが、ならば1社ではなく、バス協会加盟の路線事業者による道内横断的なサイトはつくれないか。
外国語にも対応し、主要路線と都市間バス、空港連絡バスに定期観光バスなどを横断的に紹介できるサイトがあれば利便性が高まり、需要拡大に繋がると思うが。地味な分野かもしれないが、観光立国を目指すのであれば、あってしかるべき情報である。
*名士バスの情報は「北海道紀行」さんのニュースから参考にさせていただきました。
管理人様
少子高齢化だからこそ、また鉄道網の発達が遅れている北海道だからこそバスには積極的に乗車、活用すべきと私は思います。私の住んでいる場所は幸いにも自家用車を必要としなくても公共交通機関が発達していますので、路線バスなどを利用しています。近距離の旅行では列車かバスを利用します。不思議と観光ガイドには掲載していない店舗や建物などの発見にはやはり公共の乗り物があるとありがたいです。
管理人様のおっしゃる通り、観光立国を標榜するならば、バス会社はバス路線の掲載をホームページでアップすべきで、もっと商売っ気をいい意味で出すべきです。2ちゃんねらーを顧客に射止めている沿岸バスはうまい商売をしていると、私は感心します。個人的には広大な面積を持ち、観光を基幹産業の柱にしようとしている十勝管内のバス2社には減便、廃止ではなくデマンドでもいいので、需要の掘り起こしをすべきと少し考えています。
函館バスのは、バスロケーションシステム、略して「バスロケ」という愛称で運営されていますが、確かに使い勝手は良くないですね。
ここに限ったことではありませんが、システムの利用自体が、バス路線網とバス停の名称を正確に把握していないと使えない仕組みだと感じます。
デフォルメされていない路線マップの提供と、検索システムのインターフェース統一がまずは必要かもしれません。
あさま山荘さん、こんにちは。
管理人は旅行の際、本州では極力公共交通を利用しており、アクセスが悪い場合はレール&レンタカーのような組合わせにしています。路線バスからの景色は、コメントの通り、いろいろな発見があり楽しいですね。多少不便で、行動範囲が制限されるぐらいの方が印象深い旅になります。
道内の場合も以前は公共交通が殆どでしたが、最近ではレール&レンタカー型が多く、路線バスに乗る機会も減っています。今の公共交通ダイヤでスケジュールを立てるのは厳しいですね。それでもアクセントとして、路線バスやJRを組み込むようにしています。
十勝管内のバスですが、然別湖へ行くバス会社の社長と以前話したことがあります。需要喚起に向けて十勝バス共々、企業努力をされていますが、バス会社単独では限界があると感じました。路線バス事業者は、これまでの枠組からの脱出が必要ですね。
そのためには、異業種・学・官・同業者間の知恵を集結させ、法制面も含め、根本から見直す作業をすべきです。
地球ネコさん、こんにちは。
バスロケは費用がかかるため、地方の場合、バス会社自ら制作することは大手を除いて殆どないのでは。予算枠がある自治体や大学などが交通実証実験として先行する形なので、課題は多々ありますね。
地方の場合、このシステムが需要拡大に繋がるのかといった面でも疑問はあります。
またバス会社側も利用者の視点でこのサービスを考えられる担当者がまだ少ないのではと想像します。